暗黒惑星
「炭よりも黒い暗黒の惑星、天文学者のチームが発見」(CNN.co.jp)
→ http://www.cnn.co.jp/fringe/30003672.html
主星が放つ光の99%を吸収してしまう炭よりも黒い惑星を天文学者らが発見した。「TrES−2b」と呼ばれるこの惑星は、木星ほどの大きさのガス惑星で、地球から約750光年離れた恒星の周りを竜座の方向に回っている。
天文学者らは、米航空宇宙局(NASA)の宇宙望遠鏡「ケプラー」からのデータを使ってTrES−2bの暗さの真実を突き止めた。TrES−2bがその姿を現したのは、同惑星がケプラーと主星の間に入り、主星からの光量がわずかに変化した時だった。
米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのデービッド・キッピング氏は「TrES−2bは黒のアクリル絵の具と比べてもはるかに反射率が低く、まさに異質な世界だ」と語った。キッピング氏は英国王立天文学会の専門誌に投稿されたTrES−2bに関する論文の筆頭執筆者でもある。
キッピング氏と、同論文の共同執筆者である米プリンストン大のデビッド・スピーゲル氏によると、TrES−2bの大気は、カ氏約1800度の高温だという。恐らく大気には気化ナトリウム、カリウム、酸化チタンが含まれており、これらの物質が光を吸収していると考えられるが、それだけではこの惑星の暗さは説明がつかないという。
スピーゲル氏は「この惑星の異常な暗さの原因は明らかではない」とした上で、「しかし、真っ黒というわけではない。惑星自体が非常に高温なため、石炭などの燃えさしや電気ストーブのコイルのように、かすかな赤い光を発している」と語った。