NAKAMOTO PERSONAL

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オランダ戦惜敗

「【主張】オランダ戦惜敗 1次突破へ敢闘精神貫け」(産経新聞)
 → http://sankei.jp.msn.com/sports/soccer/100620/scr1006200243022-n1.htm

 サッカーの熱気が、地球をぐるっと回って日本列島を覆い尽くしているかのようだ。
 ワールドカップ(W杯)南アフリカ大会1次リーグE組第2戦で、日本は優勝候補の一角を占めるオランダと対戦し、0−1と惜敗した。しかしカメルーンに勝った初戦と同様、強豪と堂々と渡り合った試合ぶりは称賛に値する。日の丸を背負った選手たちの奮闘にはサッカーファンならずとも元気をもらったはずだ。
 日本には25日(日本時間)のデンマーク戦の結果しだいで決勝トーナメント進出の可能性が十分ある。試合後、キャプテンの長谷部誠選手は「次にすべてを懸ける」と意気込みを語った。最後まで全力で戦ってほしい。
 オランダ戦では日本らしいサッカーが展開された。相手に走り負けしない豊富な運動量で、最後まで集中力は途切れなかった。国際サッカー連盟(FIFA)の世界ランキングでオランダは現在4位、日本は45位だが、その差を感じさせない戦いぶりだった。
 今回のW杯は、日本が大会前の国際親善試合で4連敗するなど戦力・戦術面での不安材料が多く、日本国内では事前の盛り上がりを欠いていた。開催地南アフリカの治安の悪さもあって、恒例化している日本代表サポーターの応援ツアーの出足も低調だった。
 ところが、14日のカメルーン戦に日本が勝つと様相が一変し、旅行会社には観戦ツアーの追加申し込みが相次いだ。公式ユニホームのレプリカなど応援グッズの売れ行きも急上昇した。経済面でのW杯効果にも注目したい。
 それにしても、金融危機以来、意気消沈していた人々に元気を与えてくれたW杯は、やはりサッカーを超えたイベントである。日本人の心を一つにするという意味では、次のデンマーク戦も東京五輪(1964年)の女子バレーボール決勝戦に匹敵するといえるかもしれない。
 今回のW杯1次リーグでは優勝候補のスペインや、前回大会準優勝のフランス、さらにドイツなど強豪チームが思わぬ敗北を喫するなど波乱含みの展開だ。それがまた、観客も一体となって民族の誇りをぶつけ合う、W杯という名の祝祭の醍醐味(だいごみ)でもある。
 日韓大会以来2大会ぶりの決勝トーナメント進出へ、誇りと感動を共有しながら、日本代表選手を応援したい。