『相対性理論』崩れるか.....。
「CERNが光速超える粒子発見!アインシュタインの相対性理論ピーンチ!」(ギズモード)
→ http://www.gizmodo.jp/2011/09/post_9411.html
天地が引っくり返る大ニュース!
欧州原子核研究機構(CERN)が約1万6000個のニュートリノをイタリアに飛ばしたら、なんと光速より速く到着してしまったそうですよ!!
これが本当なら「宇宙には光速より速く移動できるものは存在しない」とアルベルト・アインシュタインが1905年に提唱した特殊相対性理論が打ち破られ、物理を塗り替える革命となります。
実験では約1万6000個のニュートリノをジェノバにあるCERNの研究所から地下経由で732km先の伊グラン・サッソ国立研究所に発射しました。すると2.43ミリ秒後に到着。このヒットした時間の記録は国際研究実験OPERA(Oscillation Project with Emulsion-tRacking Apparatus)の粒子検出器に残っていたものです。つまり計算すると...
光速より60ナノ秒、速い。
許容誤差は、たったの10ナノ秒。そ、そんな馬鹿な...と思って1万5000回もニュートリノの塊を飛ばしまくってみたのですが...やっぱり同じ。にわかには信じられない話ですけど、いちおう科学界に正式な発見としてカウントしてもらえる統計的有意性を得たことで、先ほど(米時間木曜)発表に踏み切った次第ですね。
研究者160名から成るOPERA研究チームの広報を務めるベルン大学のAntonio Ereditato氏は英BBCにこう話しています。
「我々もあらゆる説明を試みた。ミスであってくれればと思ったが、どんな些細なミス、複雑なミス、怪しい要因も見つからなかった」「自分らには説明の手がかりが全くないため、結果を公開し、コミュニティのみなさんに精査をお願いするほかないと判断した」「他の独立した実験から同じ結果が得られたら、この荷が下ろせるんだけどね」
「まだこうだと断定はしていない。コミュニティに、このクレイジーな結果を理解する助けをお借りしたいだけ。まったくクレイジーだからね」「もちろん(これが本当なら)その影響は甚大だ」
早速ニュートリノに負けないスピードで世界中から疑問の声も湧いてますよ。例えば日本にある同様の研究プロジェクトの広報を務めるニューヨーク州立大学ストーニーブルック校のニュートリノ物理学者Chang Kee Jung氏は「システムのエラーではないか」と懐疑的な意見です。インディアナ大学の物理学者Alan Kostelecky氏はニュートリノが光速より速く移動することはあり得るかもしれないが、これと同じ結果を再現できる実験が「最低でもひとつ、できれば何個か欲しいね」と慎重姿勢(「本当ならうれしいですね」と本音もポロリ)。
同じテストが行える設備は世界に数ヶ所。ひとつはシカゴのフェルミ研究所、もうひとつは日本のT2K実験、ですね。果たしてどうなることやら...わくわくわくわく。OPERAは結果を論文にまとめネットに間もなく公開する予定です。
「ニュートリノが光速超えた? 『相対論』覆す可能性 名古屋大などが測定」(産経新聞)
→ http://sankei.jp.msn.com/science/news/110923/scn11092320590003-n1.htm
「根底崩れた?相対論…光より速いニュートリノ」(読売新聞)
→ http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110923-OYT1T00374.htm
「物理:光より速いニュートリノ? 相対性理論覆す発見か」(毎日新聞)
→ http://mainichi.jp/select/science/news/20110924k0000m040079000c.html
「『光より速いニュートリノ』計測 国際研究グループ発表」(朝日新聞)
→ http://www.asahi.com/science/update/0923/TKY201109230206.html
科学には誤りがつきものなのだ。その誤りを一つずつ取り除き、乗り越えてゆくのが科学なのである。誤った結論は毎度のように引き出されるけれども、それはあくまでも暫定的な結論でしかない。科学における仮説は、必ず反証可能なように出来ている。次々と打ち立てられる新たな仮説は、実験と観察によって検証されることになるのだ。科学は、さらなる知識を得るために、手探りしつつよろめきながら進んでいく。もちろん、自分が出した仮説が反証されれば嬉しくはないけれども、反証が挙がることこそは、科学的精神の真骨頂なのである。