NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

「世界最大の物理実験」

LHC

「世界最大の物理実験、LHC初実験のビーム加速シミュレーション画像」(ギズモード・ジャパン)
 → http://www.gizmodo.jp/2008/09/lhc.html

何千億円という、微弱なブラックホール生まれちゃうかもしれない実験設備に初めてスイッチ入れるときの気分って、…どんな感じでしょうね…。

「最高の瞬間ですよ。これで宇宙の起源と進化を知る新時代の幕開けに期待が持てそうです」
LHCプロジェクトリーダーLyn Evans氏は興奮冷めやらぬ様子。

LHC初実験が行われたのは今月10日中央ヨーロッパ時間10:28キッカリ、場所はジュネーブ郊外の地下100mの設備です。外周は山の手線ぐらい(26.9km)。

LHC」とは、ヨーロッパ原子核研究機構(CERN)が高エネルギー物理実験のためジュネーブ郊外に作った大型ハドロン衝突型加速器 (Large Hadron Collider)の略。この加速器で行う実験のことを「LHC実験」と呼びます。

要は陽子と陽子をものすごいスピード(7TeV=10の12乗電子ボルト)でぶつけて様子を観測する実験なんですけど、今回は手始めに加速しただけで衝突まではやってません。でも数十億ドルの設備が本当に実働に耐えうる強度を持つことが実証され、関係者からは歓喜の声が。

LHCは発見マシンです。その研究プログラムは我々の宇宙観を根底から変え、人類の歴史の始まりからある探求心の伝統を持続させる可能性を秘めています」(CERNのRobert Aymar所長)

初の衝突実験は年内になる予定です。

「大型ハドロン衝突型加速器の写真集」(ギズモード・ジャパン)
 → http://www.gizmodo.jp/2008/08/post_4101.html
「【竹内薫の科学・時事放談】巨大実験施設『LHC』 ヒッグス粒子を探し出せ」(産経新聞)
 → http://sankei.jp.msn.com/world/europe/080913/erp0809130801000-n1.htm



この実験でブラックホールが発生するという懸念から自殺者も。

「ブラックホール生成? LHCに懸念」(ナショナルジオグラフィック
 → http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=5410713
「インドの少女、欧州での「ビッグバン実験」を恐れ自殺」(ロイター通信)
 → http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-33702120080911



かの、スティーヴン・ホーキング博士の見解。
ホーキング博士、『LHC実験で神の素粒子は見つからない』に100ドルの賭け」(AFPBB News)
 → http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2515286/3313292

英国の天体物理学者スティーヴン・ ホーキング(Stephen Hawking)博士(66)は9日、まもなく行われる巨大粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器LHC)」の実験について、「ヒッグス粒子は見つからないだろう。100ドル(約1万円)賭けてもいい」と語った。

LHC実験で「神の素粒子」発見を目指す

 スイスにある欧州合同素粒子原子核研究機構(European Organisation for Nuclear Research、CERN)は、ヒッグス粒子を発見することを目標に、10日にLHCを稼働させる。実験では、水素の原子核である陽子をほぼ光速まで加速させて衝突させる。 

 素粒子が質量を獲得するメカニズムは長年謎とされてきたが、1964年に英物理学者のピーター・ヒッグス(Peter Higgs)がその謎を解く理論として「ヒッグス場」を提唱した。ヒッグス場とは理論上、素粒子に質量を与える場だ。仮説では、素粒子ヒッグス粒子に当たって抵抗が生じることにより質量が生じる。ヒッグス粒子はどこにでも存在するものの目には見えないため、「神の素粒子」と呼ばれることもある。

■予想外の粒子が発見される可能性も

 今回の実験について、1988年の著書『ホーキング、宇宙を語る−ビッグバンからブラックホールまで』(原題 A Brief History Of Time)で知られるホーキング博士BBCラジオに対し、「実験では量子反応を観測できるよう高いエネルギーが生成されるため、ヒッグス粒子を発見するには充分だと考えられている。しかしわたしは、ヒッグス粒子を発見できなかったときの方がはるかにエキサイティングだと思う。つまり、何かが間違っていたということであり、考え直す必要があるということだ。ヒッグス粒子が見つからない方に100ドル賭けてもいい」と語った。

 だが、一部の科学者は博士よりも楽観的だ。フランスの天体物理学者、Hubert Reeves氏は、スイスのル・マタン(Le Matin)紙に対し、「LHC素粒子物理学の世界を永遠に変えることになる『予想外の結果』をもたらすだろう」と期待を寄せている。

 一方、ホーキング博士は、実験で既知の素粒子の「超対称パートナー」となる超対称粒子が発見される可能性も指摘している。超対称粒子は銀河同士を保持する謎の暗黒物質ダークマター)を生成している可能性があり、この発見はひも理論を裏付けるものでもある。「LHCで何が発見されても、あるいは発見されなかった場合でも、宇宙の構造について多くの手掛かりを与えてくれるだろう」と博士は締めくくった。

『大型ハドロン衝突型加速器 - Wikipedia』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E5%9E%8B%E3%83%8F%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%B3%E8%A1%9D%E7%AA%81%E5%9E%8B%E5%8A%A0%E9%80%9F%E5%99%A8
ヒッグス粒子 - Wikipedia』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B9%E7%B2%92%E5%AD%90