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599GTO

599GTO

「フェラーリ市販車史上最速モデル『599GTO』発表」(エキサイトイズム)
 → http://www.excite.co.jp/ism/concierge/rid_15109/

 フェラーリは4月8日、同社市販車史上最速を掲げる超高性能モデル「フェラーリ599GTO」を発表した。最高出力670PSを発揮する専用のV型12気筒エンジンを搭載し、335km/h以上の最高速を誇る。4月23日よりスタートする北京モーターショーにて公開される予定だ。

 フェラーリ599GTOは公道走行を基本とする市販モデルだが、誕生のベースとなったのはフェラーリ599のコンポーネンツをもとに開発された「599XX」だ。599XXは、F1で用いられる空力アイデアや革新的な電子制御シャシー技術が注がれた「サーキット走行専用車」である。599XXはその発表に際し「ハイアマチュアレベルの運転技能を備えたフェラーリの顧客向けに30台ほどを生産、その走行テストを通じてニューモデルの研究を行なう」という、プログラムが発表された。つまり599XXは、フェラーリ最高峰の2シーターGTをベースとした次世代超高性ロードゴーイングカーの実験車両だったのだ。今回発表された599GTOは、その599XXの直系にあたるモデルである。

 599GTOに搭載されるエンジンは、599XX用ユニット向けの新型クランクシャフトなどを備えた専用のV型12気筒の自然吸気ユニットで、最高出力670PS/8250rpm、最大トルク620Nm(約63.2kg-m)/6500rpmの性能を誇る。これは標準モデルの599のエンジンスペックを大きくまわる数値だ。高出力化と同時に軽量化にも余念がなく、車重は1495kgまで引き締められている。

 さらに、空気抵抗を極力抑えながら強大なダウンフォースを発生させる空力デバイスや新世代カーボンセラミックブレーキ「CCM2」の実装、走行中の車両状態をモニターしドライバーに伝える「バーチャル・レース・エンジニア」や高速シフトプログラムを持つF1シフトの採用など、599XXにおいて試行された多くのテクノロジーも転用される。

 こうして誕生した599GTOは、生まれながらにしてサーキットスペシャル的素質を与えられた市販車なのである。599GTOは、最高時速は335km/h以上、そして0-100km/hの加速性能は3.35秒の性能を掲げるが、フェラーリ社の有名なテストコースであるフィオラノ・コースのラップタイムでは、エンツォ・フェラーリを凌ぐ1分24秒を記録するという。まさしくフェラーリ史上最速の市販モデルというわけだ。

 フェラーリの歴史において「GTO」といえば、1962年に登場した250GTO、そして1984年のGTOが思い起こされる。いずれも、世界のモーターファンが熱狂する世界選手権レースでの勝利という“最高の名誉”のためだけに、フェラーリの技術者達が心血を注ぎ生み出したモデルである。ファンにとっても極めて特別なネーミングだ。

 その伝説的な2台のGTOと単純に比較すれば、599GTOは彼らほどドラマティックな生い立ちとは言えないのかも知れない。しかしGTOの名は、約四半世紀の沈黙を経てまさに今、フェラーリからアナウンスされたのである。走行性能や詳しい技術仕様はもちろんのこと、やはりその生き様に大きな期待を寄せずにはいられない。

 599GTOは全世界599台の限定生産となる。正式な車両価格は今のところ不明だが、3500万円オーバーという日本市場におけるフェラーリ599の価格を考えれば、やはり大変高価な1台となることが予想される。


フェラーリ599GTO
全長×全高×全幅:4710×1326×1962mm
ホイールベース:2750mm
車両重量:1495kg
前後重量配分:前47% 後53%
タイヤ&ホイール:前285-30ZR20 後315-35ZR20
エンジン:65度V型12気筒DOHC(5999cc)
ギアボックス:F1 6速
最高出力:670PS/8250rpm
最大トルク:620Nm/6500rpm
最高速度:335km/h以上
0-100km/h加速性能:3.35秒
燃料消費率:17.5L/100km
CO2排出量:411g/km