懐疑的思考とは、筋の通った議論を組み立てたり、それを理解したりするための手段である。わけても重要なのは、人を惑わすごまかしを見破ることだ。大切なのは、推論によって引き出された結論が気に入るかどうかではなく、その結論が、前提ないし出発点から…
元より人間は思ひ通りに生活できるものではない。愛する人には愛されず、欲する物は我が手に入らず、手の中の玉は逃げだし、希望の多くは仇夢(あだゆめ)で、人間の現実は概ねかくの如き卑小きはまるものである。けれども、ともかく、希求の実現に努力する…
十二月十八日 心のうちが自分 外に出てみると、最新流行の晴れやかな衣装をつけた紳士や淑女が行き交うのに逢う。そこで、自分の格好はと鏡に映して恥ずかしいと思ったなら、少し反省してみるがよい。着物も自分ではない、毛皮も自分ではない、ただ心のうち…
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十二月十六日 縁の絆 人と人との縁とは、時がたつにつれてますます強くなるものだ。人間が出会ったり離れたりすることも偶然ではない。同じ電車に乗るのも、同じ水道のみずをのむという縁も浅いものではない。同じ街に住む人は、お互いの便宜をはかって他の…
ぼくの知っているあの星に、赤黒っていう先生がいてね、その先生、花のにおいなんか、吸ったこともないし、星をながめたこともない。だあれも愛したことがなくて、していることといったら、寄せ算ばかりだ。そして日がな一日を、きみみたいに、いそがしい、…
十二月十四日 正義と法 元禄十五年(西暦一七〇二年)の教、赤穂義士(大石良雄ほか四七人の武士)が亡き君主の仇をうった。忠義と法律はかならずしも合致せず、昔は法を破ってでも忠義を実行し、死をもって法のうめあわせをした義士もいたのだ。今は正しい…
『ある夜倉庫のかげで聞いた話』 「お月様が出ているね」 「あいつはブリキ製です」 「なに ブリキ製だって?」 「ええどうせ旦那 ニッケルメッキですよ」 (自分が聞いたのはこれだけ) ではグッドナイト! お寝(やす)みなさい 今晩のあなたの夢はきっと…
十二月十二日 知るのは行いのため 道徳を説く者はいるが、これを理解している者は少ない。人の道を知る者はあっても、これを実行する人はめずらしい。説教はできなくても、これを知ることは、説くことよりまさっている。知ることができなくても、これを実行…
ぼくは生活をもたぬ、手を汚さぬ。あへて生活を抹殺し、手を洗ひ、口をぬぐふ。ぼくは酒を飲まず、酔ひを知らぬ。が、ぼくはあへてしらふで酔つてみせる。生涯を酔ひとほしてごらんにいれる。酒飲みが酔つてはじめて真実を語るのなら、ぼくはしらふでかれの…
十二月十日 無価の宝 この世の中で、ことさら争ってまで手に入れるものははなはだ少ない。このうえなく貴いものは、争わずに手に入れるものである。太陽の光も月の光も花の美しさ、子供の笑顔、親の心、友だちのまこと、神のめぐみ、仏の加護はいたるところ…
君は自分だけが一人ぼっちだと思うかも知れないが、僕も一人ぼっちですよ。一人ぼっちは崇高なものです。 ── 夏目漱石(『野分』大正5年(1916)12月9日 夏目漱石 没 今日は漱石忌。 『2014年06月20日(Fri) 『漱石「こころ」の言葉』』 http://nakamoto.hate…
── John Lennon (9 October 1940 - 8 December 1980) お気に入り10選+1。
十二月七日 善言に耳を傾ける 良いことなら、たとえ子供の言うことであろうが、乞食が言ったことであろうが、また大きらいなかたきから伝わってきたものでも、耳をかたむけ、よくかみしめて味わえば、賢人の立派な言葉に値する。 言ふ人の体(たい)はし見る…
明日のために今日も寝る、明後日のために明日も眠る、今に見とれよおいどんは..... ── 大山昇太(『男おいどん』)松本零士 未来へ翔び立つ名言集~ヤマト・999の言葉たち作者:松本 零士出版社/メーカー: 竹書房発売日: 2010/11/26メディア: 単行本
今日は会津藩九代藩主、松平容保公の命日。(明治26年12月5日) 攘夷、天誅の名の下に“志士”と称してテロ活動を繰り返す、跳梁跋扈の幕末京都。 火中の栗を拾うが如く、京都守護職の任を引き受け、京の治安維持に努め、義を通した義人、義藩。朝敵の汚名を被…
今思へば、全く、己(おれ)は、己の有(も)つてゐた僅かばかりの才能を空費して了(しま)つた訳だ。人生は何事をも為さぬには余りに長いが、何事かを為すには余りに短いなどと口先ばかりの警句を弄しながら、事実は、才能の不足を暴露するかも知れないと…
十二月三日 怒りの向けどころ 怒らなければならい人に怒るのは当然だが、その怒りを罪もない人に向けるのは、おろかなことである。だが、役所や店などで争いを起こし、その怒りを我が家に持ち込んで、何も知らない家族にあたり散らすようなことは、この世に…
みんながんばったんだからあんたもがんばんなさいお金にまよわず女にまよわずひたすらやるのが男だよ ── 大下宿のバーサン(『ワダチ』)ワダチ (小学館文庫)作者: 松本零士出版社/メーカー: 小学館発売日: 1999/11メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 109回…
www.lifehacker.jp 世の中にまじらぬとにはあらねどもひとり遊びぞ我はまされる ── 良寛
十一月三十日 大河は山のふもとを回る 三度食べるご飯も、硬いときもあればやわらかいときもある。特別に注文する品でも、注文どおりにはいかぬものだ。同様に、物事には何一つとして自分の望みどおりにはいかないのが普通である。どのような大きな河でも大…
今日はジョージの日。 www.billboard-japan.comGeorge Harrison (25 February 1943 ─ 29 November 2001) コンサート・フォー・ジョージ [DVD]アーティスト: オムニバス,エリック・クラプトン,ダーニ・ハリスン出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパ…
times.abema.tv 11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち発売日: 2013/11/26メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る三島由紀夫 ふたつの謎 (集英社新書)作者: 大澤真幸出版社/メーカー: 集英社発売日: 2018/12/14メディア: Kindle版この商品を含むブロ…
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十一月二十六日 「信」と「疑」 他人の言葉はそのままいちいち受け入れなければならないものではないが、どこまでも疑うことは、人のまごころよりも自分の薄情なことを表しているようなものである。自分の心が鏡のようであったら、人の言葉のほんとうかうそ…
ミシマの日。 一寸ばかり芸術的な、一寸ばかり良心的な。・・・要するに、一寸ばかり、といふことは何てけがらはしいんだ。 ── 三島由紀夫(『鏡子の家』)ちょっとばかり、ということは何て汚らわしいんだ。 今日は憂国忌。 『三島由紀夫研究会』 http://mishi…
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十一月二十三日 天地の力 今日は新嘗祭(天皇が新米を天地の神に供え、自らもこれを食する祭事。今は勤労感謝の日となっている)で、新しくとれた米を神に捧げ、感謝する日である。われわれは、毎日三度いただく食事を当然のように考えて、米の一粒のうちに…
十一月二十二日 丸くなりすぎてもだめ 世の中のことに同調することは良いが、これも世のならい、あれも社会の傾向だと、心の中でやましいと思うことまで従っていては、弱みにつけこまれて社会の奴隷のようになってしまう。人間はあんまり丸くなりすぎてもだ…
十一月二十一日 同じ谷川の水 今日は一休(室町中期の臨済宗の僧。詩や書画に秀でていた)を偲ぶ日で、彼は文明十三年(西暦一四八一年)の今日、八十八歳でこの世を去った。 雨あられ雪や氷とへだつれど落つれば同じ谷の水 大水のさきに流るゝ橡殻(とちか…