NAKAMOTO PERSONAL

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松陰のことば

『君子は徳義なきを恥ぢ、小人は名誉なきを恥づ』
 → 立派な人間は自分の内面の弱さを恥じ、つまらない人間は外面の悪さを恥じる

【原文】
君子は徳義なきを恥ぢ、小人は名誉なきを恥づ。君子は才能なきを恥ぢ、小人は官禄なきを恥づ。(中略)大抵小人の恥づる所は外見なり。君子の恥づる所は内実なり(安政三年五月十四日『講孟箚記』)


【訳】
「すぐれた人間は、徳や義理の心がないことを恥じ、つまらない人間は、名誉がないことを恥じる。すぐれた人間は才能がないことを恥じ、つまらない人間は官位や俸禄が低く、少ないことを恥じる。(中略)だいたい、つまらない人間が恥じるのは外面に関することで、すぐれた人間が恥じるのは心の内面についてである」


【解説】
 この一節は、孟子の「恥」についての二つの文章をうけて松陰が書いたもの。一つ目は「人は恥ずる心がなくてはいけない。恥ずる心がないことを恥じれるなら、恥じる必要はない」。二つ目は「恥じることは人にとって重要なこと。その場のがれで言い訳ばかりする者は、恥じる気持ちがない。自分が人に及ばないことを恥じない者は、人並みの人間になることはできない」。恥じることが、人にとってどれだけ大切かということである。

吉田松陰名言集 思えば得るあり学べば為すあり (宝島SUGOI文庫)

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