NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

『粒子と波動の二重性』と『死後の世界』

「死後の世界は存在する!? 量子物理学者が導き出したひとつの結論に世界が注目!」(Pouch)
 → http://youpouch.com/2013/11/18/142880/

 この世にあるものはすべて、人間が意識し、決定してきたものである。こんなふうに言いきってしまうのは、少々乱暴でしょうか?

 ならば神様がこの世にいると、一体誰が言い出したのでしょう。空は青いと感じ、それを言葉にしたのは誰でしょう。人間ですよね? 

 そこには絶対的な正解など存在しません。なぜなら誰もその答えを知らないし、答えが存在するのかどうかすらも、確かめようがないからです。

 「この理論から言うと、死後の世界も存在するといえるだろう」量子物理学者のロバート・ランザ博士が述べたこの発言が、現在注目を集めていると、海外サイト『Mail Online』が報じています。

 先に述べた「この世にあるものはすべて人間が意識し決定してきたもの」、つまり「この世の中を作っているのは人間の意識である」。これは、量子物理学が導き出したひとつの結論です。

 現実であるかのように見えているこの世界はすべて、自分の意識が創り上げたもの。自分という観察者がいて、物体や事象は初めて存在を露わにする。いわば、今ここに在る空間と時間は、単なる人間の精神構造物にすぎない。

 ならば「死後の世界がある」と想像する、それだけで、死後の世界の存在が示されるのである。これが今回、ランザ博士が出した結論です。むろんこれは精神論でもなんでもなく、科学的根拠に基づいた、たしかな事実とのこと。

 ふむ……難しいことはよくわからないけれど、これってつまり、パラレルワールド的理論ってこと? 同時に進行する無限の世界があり、その中のひとつに「死後の世界」があるってことで、OK?

 このことを証明すべくランザ博士が挙げたのが、かの有名な『2重スリットの実験』です。

 同実験によって一体なにが示されるかというと、要は「それまで規則性などないかのように動いていた粒子が、観測者の視点が加わった途端、それまで全く見せなかった一定の規則性を見せた」、というもの。量子物理学が導き出したこの奇妙な実験結果は、たしかにランザ博士の理論を裏づけているかのようにも思えます。

 しかしランザ博士が導き出した結論が正解だと、一体誰が言えるでしょう。また同時に、これが不正解だと、一体誰が言えるのでしょうか。

 死後の世界はあるのか否か。この答えはそれぞれが抱く、そのイメージの中にある。量子物理学的に言うならば、これでもいいってことだよね!? はあ、なんだか謎が解けるばかりか、ますます深まったような気がします、ハイ。


あると思えばあるし、無いと思えば無い。
一切は「空」である。
色即是空、空即是色。


こういった類いの話、大好き。
『2013年05月15日(Wed) 「死後体験」』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20130515
『2012年10月17日(Wed) 死後の世界』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20121017
『2011年05月18日(Wed) 『闇を恐れる人々のおとぎ話』』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20110518
『2011年05月17日(Tue) 生きているだけが、人間である。』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20110517

 ところでわたしは、霊があるかどうかを知らない。いやそればかりか、霊という言葉が何を意味するかすら、まったくわかっていない。そうはいっても、わたし自身この言葉をしばしば用いるし、あるいは他の人たちが使っているのをきいている。だから、たとえそれがいかなる幻想であろうと、あるいは何か実在するものであろうと「霊」という言葉によって何事かが理解されねばなるまい。

── エマニュエル・カント(『視霊者の夢』)

空の思想史 原始仏教から日本近代へ (講談社学術文庫)

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