一日一言
十月五日 知識と実行
知識を得ることは簡単であるが、これを実行することはむずかしい。しかし、細かいところまで知りつくしていなければ、実行してはならない。たとえば、農業のように、土をたがやし、時を間違えずに種をまき、草を刈れば、実ることは誰でも知っているが、そのことを知っていても実行しなければ、何の実りもない。また、それを知るのには、時期を考えて、土のたがやし方や、鋤や鍬の使い方など、それぞれよく知った上で行わなければ、知ったことにはならない。これは、三浦梅園(江戸中期の儒医)の教えである。
説く法(のり)に心の花は開けども
その実となれる人はまれなり
- 作者: 三浦梅園,尾形純男,島田虔次
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1998/05/18
- メディア: 文庫
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翁にも曰く、
知らないことには二種ある。全く知らないことと、よく知らないことの二種である。人は全く知らないことでさえ、知ったかぶりして教えようとする。すこし知ることなら得意になってなお教えようとする。
自助論: 「こんな素晴らしい生き方ができたら!」を実現する本 (単行本)
人は本には金を惜しむ。
── 山本夏彦(『何用あって月世界へ』)