桜桃忌
太宰の自殺は、自殺というより、芸道人の身もだえの一様相であり、ジコーサマ入門と同じような体をなさゞるアガキであったと思えばマチガイなかろう。こういう悪アガキはそッとしておいて、いたわって、静かに休ませてやるがいゝ。
芸道は常時に於て戦争だから、平チャラな顔をしていても、ヘソの奥では常にキャッと悲鳴をあげ、穴ボコへにげこまずにいられなくなり、意味もない女と情死し、世の終りに至るまで、生き方死に方をなさなくなる。こんなことは、問題とするに足りない。作品がすべてゞある。
今日は桜桃忌。
「桜桃忌にちなみ太宰の著作展示 26日まで県立文学館 」(山梨日日新聞)
→ http://www.sannichi.co.jp/local/news/2013/06/17/8.html
「くつろぐ太宰をクリアファイルに 三鷹の財団 きょう『桜桃忌』で販売」(東京新聞)
→ http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/20130619/CK2013061902000106.html
『山梨県立文学館』 http://www.bungakukan.pref.yamanashi.jp/
『太宰治文学サロン』(三鷹市芸術文化振興財団) http://mitaka.jpn.org/dazai/
明日もまた、同じ日が来るのだろう。幸福は一生、来ないのだ。それは、わかっている。けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。
── 太宰治(『女生徒』)
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