NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

風みたいに無意味なものだ。

自殺なんて、なんだらう。そんなものこそ、理窟も何もいりやしない。風みたいに無意味なものだ。

── 坂口安吾『教祖の文学』


「若者の"自殺"が深刻、20~39歳各年代の死因は自殺が最多--就職・勤務で悩み」(マイナビニュース)
 → http://news.mynavi.jp/news/2013/06/18/199/

政府は18日、2013年版「自殺対策白書」を閣議決定した。それによると、2012年の全国に自殺者数は前年比2,793人減の2万7,858人となり、1997年以来、15年ぶりに3万人を下回った。ただし、20代の自殺者数は高い水準が続いている。

自殺者数を男女別に見ると、男性が1万9,273人(構成比69.2%)、女性が8,585人(同30.8%)となった。

自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は前年比2.2ポイント減の21.8%(男性32.4%、女性13.9%)。年代別に見ると、20歳代で自殺死亡率が上昇傾向にあるのに対し、40歳代以上では低下傾向にある。詳細を見ると、60代以上の自殺死亡率は26.9%、50代以上は29.9%で、1997年の数値(60代以上31.9%、50代以上31.6%)をいずれも下回った。それに対して、20代の自殺死亡率は近年増加傾向にあり、2009年には13.3%だったものが、2011年には24.3%、2012年は22.5%と高い水準が続いている。

若い世代の自殺は深刻な状況にあり、20~39歳の各年代における死因の第1位は自殺との調査結果が出ている(厚生労働省2011年「人口動態統計」)。国際的に見ても、15~34歳の世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進7カ国では日本だけで、その死亡率も他の国より高いという。


若い世代の自殺の原因を調べたところ、2007年以降、20代では「勤務問題」による自殺死亡率が増え続けており、2012年には全年代の中で最も高くなっていることが判明。また、「勤務問題」以外においても、20代の自殺に多い原因・動機は「就職失敗」や「その他進路に関する悩み」など、いずれも就職問題に関連しており、さらに自殺者数は増加傾向にあることがわかった。

白書は、このような状況を受けて、「『勤務問題』のみならず、関連が深い『経済・生活問題』、『学校問題』、そしてこれらが引き起こす『健康問題』に対し、若年層への効果的な取組を早急に実施していく必要がある」と提言している。

職業別の自殺者数を見た場合、最も多かったのは「無職者」で1万6,651人。以下、「被雇用者・勤め人」が7,421人、「自営業・家族従業者」が2,299人、「学生・生徒等」が971人、「不詳」が516人と続いた。2007年以降は、「自営業・家族従事者」「被雇用者・勤め人」「無職者」が減少傾向にある一方、「学生・生徒等」は微増している。

男女別の月別自殺者数の推移を見たところ、男性では「3月」、女性では「5月」と「7月」に自殺者が最も多くなっていた。また、男性、女性ともに「12月」に自殺者数が最も少なくなっていた。

「自殺白書『若い世代の対策強化を』」(NHKニュース)
 → http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130618/k10015383951000.html
「20歳代の自殺者が増加、動機は就職問題」(リセマム)
 → http://resemom.jp/article/2013/06/18/13995.html
「米国人を鬱から救っていたラジオの司会者が自殺」(The Voice of Russia)
 → http://japanese.ruvr.ru/2013_06_07/115283366/

 人生とは銘々が銘々の手でつくるものだ。人間はかういふものだと諦めて、奥義にとぢこもり悟りをひらくのは無難だが、さうはできない人間がある。「万事たのむべからず」かう見込んで出家遁世、よく見える目で徒然草を書くといふのは落第生のやることで、人間は必ず死ぬ、どうせ死ぬものなら早く死んでしまへといふやうなことは成り立たない。恋は必ず破れる、女心男心は秋の空、必ず仇心が湧き起り、去年の恋は今年は色がさめるものだと分つてゐても、だから恋をするなとは言へないものだ。それをしなければ生きてゐる意味がないやうなもので、生きるといふことは全くバカげたことだけれども、ともかく力いつぱい生きてみるより仕方がない。
 人生はつくるものだ。必然の姿などといふものはない。歴史といふお手本などは生きるためにはオソマツなお手本にすぎないもので、自分の心にきいてみるのが何よりのお手本なのである。仮面をぬぐ、裸の自分を見さだめ、そしてそこから踏み切る、型も先例も約束もありはせぬ、自分だけの独自の道を歩くのだ。自分の一生をこしらへて行くのだ。

── 坂口安吾『教祖の文学』


『2012年09月10日(Mon) 歯痛と自殺と』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20120910