NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

ノルウェーを見習え

「【産経抄】10月9日」より
 → http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/101009/plc1010090308001-n1.htm

 何度でも書き残しておかねばならないことがある。平成13年、当時の小泉純一郎首相が8月15日に靖国神社を参拝しようとしたことに対する中国の反応だ。中でも唐家●*1外相の執拗(しつよう)なクレームは、外交というようなものではなかった。
 同年7月、ハノイ田中真紀子外相と会談した後記者団に日本語でこう語った。「やめなさいとゲンメイしました」。この「ゲンメイ」を翌日の各紙は「言明」と書いたが、産経抄だけは「いや厳命だったのではないか」と異をとなえた。それほど唐氏の態度は高圧的に見えた。
 この他国を他国と認めないような姿勢は、どうやら中国の「伝統」らしい。今年のノーベル平和賞選考に当たって、ノルウェーのノーベル賞委員会に圧力をかけたという。中国の民主活動家、劉暁波氏を選ばないようにという露骨なものだったらしい。
 平和賞は他の5賞と違いノルウェー国内に設置された委員会で選ばれる。そのことへの疑問もあるし、時には「政治的過ぎる」との批判も浴びる。とはいえ他国が選考段階で自らの都合により圧力をかけるなど、とうてい許されることではない。
 だがそんな心配をよそに、委員会は劉氏への平和賞授与を決めた。躊躇(ちゅうちょ)があったかどうか分からないが、圧力をはね返した形である。中国は当然怒り心頭だろうが、これでその言論抑圧の姿勢や他国への恫喝(どうかつ)的外交など、この国の未成熟な国家のあり方が白日のもとにさらされたのだ。
 一方で日本はといえば、靖国参拝や歴史観では中国の圧力に屈してばかりだ。最近も尖閣問題であっさりと膝(ひざ)を屈してしまった。日本に比べてはるかに「小国」といえるノルウェーのがんばりをどう見ているのだろう。

*1:王へんに旋