2010-01-21 一日一言 一月二十一日 得意の時のわがまま 寿永三年(西暦一一八四)の今日は、木曾義仲が哀れにも三十一歳にして戦死した日である。彼が失敗したのは、勇猛を頼りに横暴を極め、上の人を崇めず、法をも無視した結果である。人は少し出世すると偉ぶり、自分の身の程を忘れて自分のわがままを押し通そうとするため、他人を縛ろうとした縄で自分の首を絞めることになる。 勇気とは我が人慾のわたくしに ちつとも負けず勝ちぬくをいふ 油断こそ大敵なりと心得て 堅固に守れおのがこころを ── 新渡戸稲造『一日一言』