芥川賞・直木賞
「芥川賞に磯崎憲一郎氏、直木賞は北村薫氏」(産経新聞)
→ http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090715/acd0907151916004-n1.htm
第141回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は磯崎憲一郎氏(44)の「終の住処」(新潮6月号)、直木賞は北村薫氏(59)の「鷺と雪」(文芸春秋)に決まった。
贈呈式は8月21日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は各100万円。
磯崎氏は昭和40年、千葉県生まれ。早稲田大学商学部卒。現在は会社員。平成19年「肝心の子供」でデビュー、「眼と太陽」は20年、芥川賞候補となった。ほかに「世紀の発見」「絵画」を発表している。
受賞した「終の住処」は、30代の結婚生活でいくつかの婚外恋愛を経験した製薬会社の社員が、娘に恵まれ、やがて責任ある仕事を任されていく中で、自らの“居場所”を悟る物語。妻との関係に違和感を覚えながら過ごす数十年という長い年月の流れを凝縮して描いた。
芥川賞選考委員の山田詠美さんは「候補作の中では、小説として知的に構築されている。インスピレーションだけでなく、小説として言葉を考えている。圧倒的な点数で受賞が決まりました」と述べた。
一方、直木賞を受賞した北村氏は昭和24年埼玉県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。県立高校教諭をへて作家に。『ニッポン硬貨の謎』で第6回本格ミステリ大賞(評論・研究部門)を受賞。直木賞候補となるのは6度目で、待望の受賞となった。
受賞作の「鷺と雪」は、女子学習院に通う士族の令嬢、花村英子と、そのお抱え女性運転手、ベッキーさんを主人公にしたミステリーシリーズの第3弾、完結編。「不在の父」「獅子と地下鉄」表題作の3短編から成り、時代の転換の大きなうねりが描かれる。
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