2009-02-08 一日一言 二月八日 善と悪 世の中のすべてのものは、人に宿ってその心となるが、ゆえに心は活物(いきもの)であって、常に生き生きとしている。心は一つの事象に感じて動くもので、これを意と言う。動くときは人の気持ちが主体となるがゆえに、善ともなれば悪ともなるのである。自然体で形にこだわらない思いやりを善と名づける。形にこだわって自然体ではない思惑が入ることを、悪と言う。それが私利私欲となる。 そことなくそよぐ難波の浦風に よしあしのみやみだれそむらん <三輪執斎> ―― 新渡戸稲造『一日一言』