NAKAMOTO PERSONAL

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反婚さん

「結婚制度の問題点訴え、デモ  京で『反婚』掲げ50人参加」(京都新聞
 → http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008101400147&genre=C4&area=K00

 結婚という制度の問題点を考えてもらおうと、「反婚」を掲げたデモが13日、京都市内で行われた。1人で子育てをする女性や、性差別の問題に取り組む人ら約50人がウェディングドレス姿や男装で参加し、「婚姻制度には差別がいっぱい」などと訴えた。

 企画した「陽のあたる毛の会」の桐田史恵さん(30)は10代で出産し、1人で子育てした。養育を通じてさまざまな問題に突き当たり、結婚制度についての勉強会を左京区で始めた。

 桐田さんは「子守りをしてくれる人を探しても家族制度が壁になったし、友達に結婚しない生き方を理解してもらえない。『反婚』という言葉を作って呼びかけると、結婚という慣習に違和感や疎外感を感じている人がたくさんいた」と話している。

 デモは左京区平安神宮から、下京区四条河原町を経て東山区円山公園前まで歩きながら、「異性にずっと養われるってどういうこと?」「結婚がおめでとうの社会は、非婚の人が生きづらい」などと呼びかけた。


またおかしなのが出てきた。
したくないのなら、しないでいいだけ話。
拳を挙げて主張することでもなかろうに。

「結婚がおめでとうの社会は、非婚の人が生きづらい」のなら「結婚がおめでたくない社会は、結婚の人が生きづらい」ぢゃあないか。

正義の押し付けである。




何度も書いているが何度でも書く。
我が師に曰く、

 自分だけの正義というものはなく、正義はつねに主張のうちにある。相手のため、他人のためと言ったこところで、どうしても人を強制することになる。強制それ自体が悪であるばかりではない。どんな正義もその半面には不正と必然悪をともなってをり、そこには人を益するものがあると同時に人を害するものがあるのだ。

―― 福田恆存(『日本への遺言』)



夏彦翁かく語りき

 その顔を鏡にうつして見てごらん。口は鼻よりさきに出ている。耳までさけている。むかしは恋したときもあったろうに、その顔はどこへ去ったのかと思わないのかしらん。

 それは美容上の問題である。「主婦連」や「地婦連」は怒るのが商売だから仕様がないが、並みの主婦がそのまねをしてはいけない。回らぬ舌でまねをすると、顔つきまで似てくる。折角の器量が台なしになる。まして折角でない器量は、さらに台なしになる。そしれこの世は折角でないものの方が折角より多いとすれば、日本中台なしになる。

 主婦のなかの最も若く最も未熟なものを、警察官にするとどうなるか。正義の権化になる。権化になって何が悪いのかというだろうが悪いのである。

─ 山本夏彦『何用あって月世界へ』