NAKAMOTO PERSONAL

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公開質問状

「『牛乳=有害』は根拠示せ…医師らが書籍著者に質問状 」(産経新聞)
 → http://www.sankei.co.jp/seikatsu/shoku/070328/shk070328001.htm

 ミリオンセラーになっている「病気にならない生き方」(サンマーク出版)に、牛乳乳製品に関し科学的根拠が疑わしい記述があるとして、医師や栄養学の専門家らでつくる牛乳乳製品健康科学会議(会長、折茂肇健康科学大学長)は27日、同書の著者、新谷(しんや)弘実・米アルバート・アインシュタイン医科大教授に質問状を送り、回答を求めた。

 新谷教授は同書で、牛乳を作る過程でホモゲナイズ(均等化)することで、乳脂肪は酸素と結びつき過酸化脂質に変化してしまうとし「市販の牛乳は『錆(さ)びた脂』ともいえる」と記述。また「牛乳のカルシウムはかえって体内のカルシウムを減らしてしまう」「牛乳の飲みすぎこそ骨粗鬆(しょう)症を招く」など健康への悪影響を述べている。

 同会議は「ホモゲナイズしても乳脂肪が酸化されることはほとんどない。牛乳を飲むことで体内のカルシウムが減ることはなく、骨粗鬆症になることもない」などと反論。質問状で、牛乳乳製品に関する記述8項目について、内容を裏付ける科学的根拠を示すよう求めた。


そもそもサンマーク出版はスピリチュアル系の眉唾物が多い。 
『サンマーク出版:書籍紹介』 http://www.sunmark.co.jp/01/frame_index.html



「『牛乳は有害』の根拠ただす 健康科学会議が新谷教授に公開質問 」(FujiSankei Business i.)
 → http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200703280008a.nwc

 ■公開質問と牛乳乳製品健康科学会議の見解(要旨)

 【質問1】

 「市販の牛乳は『錆(さ)びた脂』ともいえる」、「ホモゲナイズ(均質化)することにより、生乳に含まれていた乳脂肪は酸素と結びつき、『過酸化脂質』に変化してしまいます」、「超高温にされることによって、過酸化脂質の量はさらに増加します」と述べているが、それを裏付ける科学的根拠は。

 《見解》牛乳をホモゲナイズ、殺菌しても乳脂肪が酸化されることはほとんどない。乳脂肪は大豆油やコーン油より多価不飽和脂肪酸が10分の1以下と少なく、もともと酸化されにくい。

 乳脂肪は牛乳中では脂肪球として存在、ホモゲナイズすることで脂肪球は小さくなり、その合計表面積は増えるが、乳タンパク質で被覆され、酸化されにくい形態。また、通常のホモゲナイズや殺菌は外気と直接触れない工程で行われており、酸化に必要な酸素が牛乳に溶け込むのはむずかしい。実際、同じ工場の「原料乳」と「ホモゲナイズ、殺菌したパック入り牛乳」の酸化指標を測定した結果、まったく差がなく酸化は認められなかった。


 【質問2】

 「カルシウムをとるために飲んだ牛乳のカルシウムは、かえって体内のカルシウムを減らしてしまう」と述べているが、それを裏付ける科学的根拠は。  

 《見解》牛乳を飲むことで体内のカルシウムが減ることはない。体内のカルシウムは99%以上が骨と歯にあり、その他は血液や組織の中にある。骨と血液中のカルシウムはホルモンやビタミンの働きで常に交換されており、血液中の濃度は常に一定に保たれている。吸収された牛乳のカルシウムは血液や組織(大部分は骨)に入って蓄えられ、不要な部分は排泄(はいせつ)される。牛乳のカルシウム吸収率や蓄積率は小魚や野菜より高い。


 【質問3】

 「牛乳を飲みすぎると骨粗鬆症になる」と述べているが、その科学的根拠は。

 《見解》牛乳・乳製品の摂取を増やすと小児期では骨密度の獲得に寄与し、中高年期では閉経後の骨量減少を抑制する。牛乳を飲むことでカルシウムの摂取ができ骨粗鬆症の予防に有効であるとの研究も世界中の研究者により報告されている。ハーバード大学が米国人7万8000人を対象に、牛乳を多く飲むグループと少ないグループの骨折リスクなどを12年間追跡調査した結果、「カルシウムを多く摂取すると骨折発生が減るという証拠は見いだされなかった」が、牛乳を多く飲むグループが骨粗鬆症になるとの記載はない。


 【質問4】

 「牛乳を毎日たくさん飲んでいる世界4大酪農国であるアメリカ、スウェーデン、デンマーク、フィンランドの各国で、股(こ)関節骨折と骨粗鬆症が多いのはこのためでしょう」と述べているが、その科学的根拠は。

 《見解》前述のハーバード大学の調査では、牛乳をたくさん飲むことで大腿(だいたい)部骨折が多いとの報告はなく、骨粗鬆(そしょう)症が多いとの報告もない。北欧の女性は他の国に比べ、大腿部骨折が多い傾向にあるが、これは運動の種類・量およびカルシウムの体内への吸収に大きなかかわりをもつ日光などの影響があるためで、牛乳が原因とは考えられない。


 【質問5】

 「牛乳ほど消化の悪い食べ物はないといっても過言ではありません」「牛乳に含まれるタンパク質の約8割を占める『カゼイン』は、胃に入るとすぐに固まってしまい、消化がとても悪いのです」と述べているが、その科学的根拠は。

 《見解》牛乳タンパク質は胃の中で酸や酵素によって固まるが、消化されにくくなることはない。カゼインは牛乳中ではリン酸カルシウムの関与のもとコロイド粒子として存在し、内部はタンパク質分解酵素が自由に入れる緩やかな構造で、容易に分解できる。カゼインは肉のように熱を加えなくても、消化酵素によりそのままの形で消化可能な優れた食品タンパク質である。


 【質問6】

 「日本ではここ30年くらいのあいだに、アトピーや花粉症の患者が驚くべきスピードで急増しました。(中略)その第1の原因は、(中略)学校給食の牛乳にあると考えています」と述べているが、その科学的根拠は。

 《見解》学童期のアトピー性皮膚炎は環境要因が悪化因子となっており、学校給食での牛乳の摂取には変化がないにもかかわらず、有症率が減少(1992年17・3%

2002年13・8%)していると報告されている。学校給食の牛乳が花粉症の原因とする報告もまったくない。乳幼児期のアトピー性皮膚炎や成人の花粉症、アレルギー性鼻炎などが増えているが、原因となるアレルゲンは環境の中の花粉、ダニ、排ガスなどあらゆるものに起因している。


 【質問7】

 「市販の牛乳を(中略)子牛に飲ませると、その子牛は4、5日で死んでしまうそうです」と述べているが、その科学的根拠は。

 《見解》生まれてすぐの子牛は母牛の胎盤を通して免疫タンパク質を受けていないので、免疫成分を多く含んだ母牛の初乳を1週間ほど与える必要があるが、その後の子牛に温めた市販の牛乳を飲ませても健康に全く影響はない。実際、生後4〜18日の子牛に市販牛乳を1日4リットル与えた試験では、体調に何ら異常は認められず、順調に生育している。


 【質問8】

 「ヨーグルトの乳酸菌は、胃に入った時点でほとんどが胃酸で殺されます。(中略)腸まで届いたとしても、はたして常在菌と手を取り合って働くことが本当に可能なのでしょうか」と述べているが、その科学的根拠は。

 《見解》ヨーグルトの健康効果は海外でも広く認められている。ヨーグルトは乳酸菌が死滅しても、乳酸発酵生成物や菌体成分による健康に対する効果がある。また、ヨーグルトの乳酸菌の中には“生きたまま腸に届く”ことが検証され、効果を発揮するものもある。

 ヨーグルトや牛乳成分は、腸内善玉菌の代表格であるビフィズス菌などの腸内細菌に利用されることで、腸内細菌のバランスに影響し、健康に有益な影響をもたらす。

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