大人はずるい
昨日に続き、安吾。
大人はずるいものだ。表と裏が別で、口では正義を説きながら裏では利慾をはかり、自らの為し得ざることを人には要求し、カラクリだの権謀術数を人生の経緯とし、これを称して人間ができてゐるとか、大人物だとか、申してゐます。青年の純潔さや一本気な情熱などは青二才の馬鹿さ加減と考へてゐるのが常識で、又、悲しむべき現実でもあります。
昨日に続き、安吾。
大人はずるいものだ。表と裏が別で、口では正義を説きながら裏では利慾をはかり、自らの為し得ざることを人には要求し、カラクリだの権謀術数を人生の経緯とし、これを称して人間ができてゐるとか、大人物だとか、申してゐます。青年の純潔さや一本気な情熱などは青二才の馬鹿さ加減と考へてゐるのが常識で、又、悲しむべき現実でもあります。