大晦日
今日も明日も仕事。
5時起き。
私は、本音をはいておいた方がいいと思います。私は希望というと、本来のことろ宝クジしか思い浮かばない人間なのです。私にとって希望というのは多分に投機的で、虚偽的です。私はほとんど希望なしでやって来ました。いつも希望の代りにしていたのは、小さな、現実的な目標という奴です。目標には必ず困難がつきまといますが、もしかしたら、廻り道して辿りつけない、というものでもありません。しかしそれには希望という言葉の持つ、輝かしさは一切ないと言ってさしつかえありません。
大人たちはなぜ、青年たちに、この世は信じがたいほど思いのままにはならない所なのだということを、きっちり教えこまないのでしょうか。そして人間は、だれも、そのような不合理な生涯にじっと耐えて――つまりいい加減に――生きているものだということを。
- 作者: 曾野綾子
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