旗と歌
『産経抄』(9/22)より。
→ http://www.sankei.co.jp/news/060922/col000.htm
国歌斉唱を座って無視するのが、インテリ風でカッコイイと勘違いしているヒトは今でもいる。「日の丸・君が代は侵略戦争のシンボルで戦前を思いださせる」という屁理屈(へりくつ)を学校で吹き込まれた悪影響は大きい。
平成11年に国旗国歌法が成立し、入学式や卒業式に日の丸を掲揚、起立して君が代を斉唱する学校は目に見えて増えた。だが、それを気にいらない教師たちが「国旗に向かって起立し、国歌を斉唱する義務はない」と訴え出て、きのう1審で勝訴した。
驚いたのは、難波孝一裁判長が日の丸、君が代を「皇国思想や軍国主義思想の精神的支柱だった」と断じ、「現在も宗教的、政治的にその価値が中立的なものと認められるまでには至っていない」とのたまったことだ。常識のない裁判官にかかれば、白も黒になる。高裁ではまともな裁判官に担当してもらいたい。
それにしても自分の国の国旗や国歌が嫌いで訴訟までするセンセイが都内に400人以上いるとは驚きだ。教育委員会は懲戒処分にした教師や勤め先の学校名をどんどん公開してほしい。主義主張のはっきりしている彼ら彼女らも望むところではないだろうか。教師にも「思想良心の自由」はあるだろうが、生徒にはまともな教育を受ける権利がある。
社説は例の如く朝日と産経・読売が対立。
【朝日】
『国旗・国歌 「強制は違憲」の重み』 http://www.asahi.com/paper/editorial20060921.html
vs
【産経】
『君が代訴訟 公教育が成り立たぬ判決』 http://www.sankei.co.jp/news/060922/edi000.htm
【読売】
『[国旗・国歌訴訟]「認識も論理もおかしな地裁判決」』 http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20060921ig90.htm
食いもののの恨みは忘れ、旗や歌の恨みだけおぼえているのは不自然だというより、うそである。
─― 山本夏彦(『何用あって月世界へ』)