NAKAMOTO PERSONAL

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技術大国の礎

「身長8ミリの船頭…幕末「最小」からくり人形修理再生」(読売新聞) →【写真】
 → http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20060424i408.htm

 幕末に作られた世界最小とみられるからくり人形が見つかり、大阪府寝屋川市の研究家東野進さん(56)が修理に成功した。

 ゼンマイを巻くと、身長8ミリの船頭が、櫂(かい)を左右にこぎながら、長さ4・7センチの屋形船を進ませる。すべて手作りの精巧な作品で、専門家らは「技術大国ニッポンの礎となったからくりの粋を集めた人形」とし、修理再生した技術とともに高く評価している。

 人形は、銀や真鍮(しんちゅう)、鉄の部品で組み立てられ、船体部分の幅は1・1センチ、高さ1・8センチ、重さ約20グラム。櫂の長さは3・5センチ。船底に三つの車輪が付き、カギでゼンマイを巻くと、船体銀色の屋形船が動く。携帯用の貝の形をした木製の根付(最大横6センチ、縦4・8センチ)に収納されている。

 約30年前からからくり人形を収集・研究し、作品作りにも挑戦する東野さんは「鎖国が続いた江戸時代でも、日本のモノづくりの技術が決して西洋にひけをとらなかったことの証明」と、〈匠(たくみ)の技〉に脱帽。

 江戸東京博物館(東京都墨田区)学芸員の益田茂さん(38)も「現存するものでは、世界最小だろう。作者が技術の限界に挑戦しようとしたこだわりが見て取れる。復元技術も非常に高度だ」と話している。


『日本からくり研究会HP』 http://www.ne.jp/asahi/karakuri/japan/