免疫
「異物侵入でセンサー作動、すぐに免疫反応…理研が解明」(読売新聞)
→ http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051107ik01.htm
免疫反応は、異物(抗原)を食べて分解する細胞(抗原提示細胞)が、リンパ球の一種であるT細胞に抗原の情報を伝え、T細胞が活性化することで進む。研究グループは、抗原提示細胞と接触したT細胞の表面に、50〜200個の分子が集まった小さな塊(ミクロクラスター)が無数に発生することを突き止めた。塊には、抗原を認識するセンサーと、センサーからの信号を細胞内に伝える分子が含まれており、これらがすぐに働いて免疫反応が始まるらしい。ミクロクラスターの一部は、発生の約10分後、抗原提示細胞との接触面の中心に集合していく。従来は、この集合体ができて初めて、免疫反応が始まると考えられていた。
「特殊な免疫細胞で末期がん患者延命…理研・千葉大」(読売新聞)
→ http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20050915ik0a.htm
免疫とは、外敵(非自己)から身(自己)を守る防御システムである。が、何をもって敵(非自己)とするか。
敵と味方を分けるものは何か。自己と非自己を分けるものは何か。
免疫は面白い。
免疫は、病原性の微生物のみならず、あらゆる「自己でないもの」から「自己」を区別し、個体のアイデンティティを決定する。還元主義的生命科学が見失っている、個体の生命というものを理解するひとつの入り口である。臓器移植、アレルギー、エイズなどの社会的問題もまた、身体的「自己」の、「非自己」との関わりの問題として考えなければならない。
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