「ダライ・ラマ」
ダライ・ラマ14世が来日中ですが、神道である明治神宮、日本仏教の西本願寺への参拝、ローマ法王に対する弔辞。他宗教に対する敬意を忘れない姿勢には頭が下がります。
真の宗教者とは彼のことを言うのではないか。
『来日したダライ・ラマ14世は、明治神宮を訪れ参拝した』(朝日新聞)
→ http://www.asahi.com/photonews/TKY200504080243.html
「『宗教間に調和を』 ダライ・ラマ14世、西本願寺参拝」(産経新聞)
→ http://www.sankei.co.jp/news/050418/sha091.htm
チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世が18日、浄土真宗本願寺派本山・西本願寺(京都市下京区)を表敬訪問し、大谷光真門主と歓談した。
ダライ・ラマ14世は8日に来日。西本願寺への訪問は昭和55年以来25年ぶり3回目となる。「異なる宗教間に調和と尊重を」というダライ・ラマ14世の願いで実現した。
「『偉大な人』と法王悼む ダライ・ラマ成田に到着」(熊本日日新聞)
→ http://kumanichi.com/news/kyodo/social/200504/20050408000134.htm
ダライ・ラマは空港で、8日に葬儀が行われるローマ法王ヨハネ・パウロ二世について「宗教的指導者としてだけでなく、一生を平和にささげた人間としても偉大な人を失い、悲しい。彼が残したメッセージを伝え、実現していくことが重要だ」と悼んだ。
「カルトと真の仏教と見分けるにはどうしたらいいか、また師と弟子のあるべき関係について」(2000年4月18日ダライ・ラマ法王来日合同記者会見)
→ http://www.tibethouse.jp/dalai_lama/2000japan/2000hh5.html
大変よい質問だ。宗教から離れるか信仰を続けるかは、個々人の判断、個々人の権利に拠るべきと私は考える。また、人間の幸福のために必ずしも宗教が必要とは思わない。
もし伝統的な宗教の信仰を希望するのであれば、たとえば、仏教、キリスト教、イスラム教、あるいはその他の主要な宗教を通じて精神的な向上を目指そうとする場合、当然ながら正統な教典に基づき、伝統的な、そして注意深く書かれた宗教的な教えに従う必要がある。このことは大変重要だ。
伝統的宗教の教義をあちこちから部分的に取り入れて作り上げられた、いわゆる「ニュー・エイジ」と呼ばれる新しい類の宗教は、本質的には大変危険なものではないか。特に私たちがカルトと呼んでいる宗教には、非常な警戒心を覚える。仏教の一僧侶の立場から仏教について述べると、ブッダの教えに従うこと、その次にナーガルージュナ、アサンガ 、アーリヤデーヴァ などの真の高僧たちの教えに従うことが、とても大切である。このような高僧たちは本当に信頼できる仏教の導師である。時として、誰も認めていないのに自らを導師であると語るような者たちもいるが、このような輩は大変危険であると言わねばならない。充分に注意する必要があるだろう。
次に師と弟子の関係について。ブッダは、師となるためにはどのような資質が必要であるか、誰にでも理解できるよう明確に示した。だから、そのような資質を持つ者だけがグル (導師)、つまり師と見なすことができるわけである。カルト、あるいはまがい物の教えから逃れるためには、そして本当の資質を備えた師を見つけるには、ブッダの正統な教典を学ばなくてはならない。このことは非常に重要である。最初から信じ込むのではなく、まず学習し、充分な知識を得たあとで、「この人物が語っていること、示していることは何か 」 と判断を下す。(その人間の言動が)仏教の経典に正しく基づいているかを確認する。すなわち、本当に師として適切な人物であるのかを吟味することが大切である。事細かに観察した結果、その人物が本物と判断できたなら、師として信頼してもかまわないと思う。
こうした弟子のとるべき態度は報道メディアにもあてはめるられる。メディアは、宗教のみならず、ビジネス、政治においても常に調査し、それに値しないと判断すれば、情報を公開するという重大な任務を負っている。
「人間の幸福のためには必ずしも宗教が必要とは思わない」と言い切るところにダライ・ラマの宗教者としての桁外れの懐の深さが伺える。
『ダライ・ラマ法王日本代表部事務所』 http://www.tibethouse.jp/
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