NAKAMOTO PERSONAL

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「誤報問題」

「【主張】NHK番組修正 朝日は潔く誤報を認めよ」(産経新聞)
 → http://www.sankei.co.jp/news/050318/morning/editoria.htm

 衆院総務委員会で、NHKの受信料不払いが七十万件に達するという厳しい状況が明らかにされた。ここで、もう一つの重要な事実も明確になった。番組修正問題を最初に報じた朝日新聞の記事が誤りだったという事実である。

 朝日は今年一月十二日付朝刊で、四年前にNHK教育テレビで放送された慰安婦を扱った番組について、中川昭一経済産業相と安倍晋三自民党幹事長代理が放送前日にNHK幹部を呼び、圧力をかけたという趣旨の記事を載せた。ポイントは(1)中川、安倍両氏とNHK幹部が会ったのは本当に放送前だったか(2)両氏がNHK幹部を呼んだのは事実か−の二点である。

 三月十五日の衆院総務委員会で、「放映前にNHKの役職員が中川事務所に足を運んだという事実はあるか」という質問に、NHKの宮下宣裕理事は「ございません」と答えた。

 中川氏とNHK幹部が会った日が放送前でなく放送三日後だったことは、中川氏やNHKの説明でも明らかにされていたが、国会の場で放送前の面会が否定されたことの意味は大きい。

 放送後の面会では、番組に圧力のかけようがないし、改変も不可能だ。少なくとも、朝日記事の中川氏に関する部分は誤報である。安倍氏についても、放送前日にNHK幹部と会っているものの、安倍氏が呼んだとする記事のくだりは、安倍氏とNHKの双方が否定しており、これを覆す材料は朝日から示されていない。

 両氏がNHKに圧力をかけ、番組が改変されたとする記事の根幹は、信憑(しんぴょう)性を失ったといえる。朝日は潔く誤報を認め、読者および、安倍、中川両氏とNHKに謝罪すべきである。

虚報の構造 オオカミ少年の系譜―朝日ジャーナリズムに異議あり

虚報の構造 オオカミ少年の系譜―朝日ジャーナリズムに異議あり




「私は断言する。新聞はこの次の一大事の時にも国をあやまるだろう。」

─ 山本夏彦『何用あって月世界へ』