「保守」とは何か
大衆を批判するのはますます強固なタブーとなりつつあるが、私はその禁忌にやすやすと従いたくはない。
第4回 「保守」とは何か
【放送時間】
2019年2月25日(月)午後10時25分~10時50分/Eテレ
【再放送】
2019年2月27日(水)午前5時30分~5時55分/Eテレ
2019年2月27日(水)午後0時00分~0時25分/Eテレ
※放送時間は変更される場合があります
【指南役】
中島岳志(東京工業大学教授)…著書『保守と立憲』『保守と大東亜戦争』等の著書で知られる政治学者。
【朗読】
田中泯(舞踊家)
【語り】
小口貴子
オルテガは現代人が人間の理性を過信しすぎているという。合理的に社会を設計し構築していけば、世界はどんどん進歩してやがてユートピアを実現できるという楽観主義が蔓延しているというのだ。しかし、どんなに優れた人でも、エゴイズムや嫉妬からは自由になることはできない。人間は知的にも倫理的にも不完全で、過ちや誤謬を免れることはできないのだ。こうした人間の不完全性を強調し、個人の理性を超えた伝統や良識の中に座標軸を求めるのが「保守思想」だが、オルテガはその源流につながる。歴史の中の様々な英知に耳を傾けながら「永遠の微調整」をすすめる彼らの思想は、急進的な改革ばかりが声高に叫ばれる現代にあって、大きなカウンターになりうると中島岳志さんはいう。第四回は、オルテガの思想を保守思想の源流とつなぎながら読み解き、長い時間をかけて培われてきた良識や経験知に学ぶ方法を明らかにしていく。
オルテガ『大衆の反逆』 2019年2月 (100分 de 名著)
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