2019-01-22 一日一言「熊沢蕃山の遺訓(1)」 一月二十二日 熊沢蕃山の遺訓(1) 人が自分をほめることを聞くと、小さなことでも喜んでしまい、自分を非難する言葉を聞くと、それが事実であれば驚き、事実でなければ怒る。自分の犯した過ちを改めることができないと、人は皆その人柄を知って、心が曲がっていると言うだろう。人は自分だけがそれをうまく隠し覆えていると思っているものだ。自分の欲するものを求め、なかなか人の戒めを聞き入れないものなのである。これは熊沢蕃山(江戸初期の陽明学者)の教えである。 ── 新渡戸稲造(『一日一言』)