2019-05-26 一日一言「妬み」 五月二十六日 妬み 人間は少し気をゆるませると人をうらやむ心が起きてくる。自分は損をして人が得をしたり、自分は職を失って、同僚が昇級したり、自分は落第して友人が進級したりすると、自分の力不足を反省しないで、他人の幸福を妬み、うらんで正しいかどうか疑う。 よい仲も近ごろ疎くなりにけり 隣に倉を建てしより後 ── 新渡戸稲造(『一日一言』) 安吾センセに曰く、 他人が正しくないと云って憤るよりも、自分一人だけが先づ真理を行ふことの満足のうちに生存の意義を見出すべきではないですか。 ── 坂口安吾(『青年に愬ふ―大人はずるい―』)