NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

数冊

気になるものが数冊。


ボランティアという病 (宝島社新書)

ボランティアという病 (宝島社新書)

熊本の大地震でボランティアが話題になりました。テレビではボランティアを持ち上げていますが、一方、現場では疑問に思っている人も多くいます。
必要もないのに物資を勝手に送ってくる、準備もなく震災地に入ってくる、さらにそれを押し付けの善意と思わず、必要ないと断ると逆切れする人々。
さらにボランティアでネットワークビジネスの人脈作りをする人、復興支援の補助金にたかる人々、さらにはボランティア依存症の人々まで、東日本大震災から今回の熊本大地震まで、つぶさに取材してきたジャーナリストが日本のボランティアの病を明らかにします。


近年、日常生活の様々な場面において、理性よりも「感情」に訴える主張が注目を集めている。それは、SNSの炎上や、職場での過剰なサービス精神の強要、選挙戦で感情的に訴える候補者が優位になりやすいといった現象にも見られる。本書では、国家や企業、共同体が、巧妙に感情的な共感を引き出し、献身や購買といった形で人々を動員している実態を詳述。そして、もっともらしいだけで中身のない議論に騙されず、感情で釣られないための対策として、「冷静に考える」ための条件や環境を整える方法を示す。注目の政治社会学者による革新的論考。


本書が言っていることは、とてもシンプルだ。
人類はこれまで、戦争とともに歩んできた。戦争を克服し、平和に生きる希望をもつためにも、戦争の知識は必要だ。戦争を、社会のなかのノーマルな出来事として、みつめよう。それを、普遍的な(=誰の耳にも届く)言葉で語ろう。 そう、「戦争の社会学」を身につけよう。
戦後の日本は、これを怠ってきた。だからこの本は、戦争からずっと目を背けてきた、でもそれをどこかでマズイと直感している、多くの日本人のためにまず、書かれている。そして同時に、この世界を守るため最後の手段として戦争を辞さないが、しかし戦争を防ぐためにあらゆる努力を惜しまない世界のすべての人びとのためにも、書かれている。(本文より)

橋爪流に読み解く"戦争で見る世界史""戦争で見る地政学"――。
「戦争反対」と叫ぶ前に、まず戦争を学ぼう。日本人必読の一冊!


ケインズかハイエクか: 資本主義を動かした世紀の対決 (新潮文庫―Science & History Collection)

ケインズかハイエクか: 資本主義を動かした世紀の対決 (新潮文庫―Science & History Collection)

大きな政府か、小さな政府か――。経済と政治を百年にわたって揺るがし続ける大命題をめぐり、対立した経済学の二大巨頭。世界恐慌からの回復期にあって、二人の天才はなぜ真っ向から衝突したのか。正しかったのは一体どちらなのか。学界から政界へ、イギリスからアメリカへと舞台を移しながら繰り返された激しい抗争、そして知られざる信頼と友情の物語を巧みに描いた力作評伝。


翁に曰く、

人生は短く本は多い。

── 山本夏彦『何用あって月世界へ』