松陰忌
『平時は大抵用事の外一言せず、一言する時は必ず温然和気、婦人好女の如し』
→ 男の気迫は、余計な口を利かず、まるで婦人のように穏やかに話すことで出るものである
【原文】
平時喋々たるは、事に臨んで必ず唖。平時炎々たるは、事に臨んで必ず滅す。(中略)平時は大抵用事の外一言せず、一言する時は、必ず温然和気、婦人好女の如し。是れが気魄の源なり(安政六年二月下旬『諸友あて書翰』より)
【訳】
「日ごろぺらぺらとしゃべっている男は、大切なときに必ず黙る。日ごろ勢いのいい男は、大切なときにその勢いが消える。(中略)日ごろは用事がある時以外はしゃべらず、しゃべる時には必ず穏やかに、和やかに、まるで婦人やよき女性のようにする。これが気迫の源である」
【解説】
この書簡は、中谷正亮、久坂玄瑞、高杉晋作らへ宛てた手紙で、“理想の男性像”について書かれている。「言葉を慎み、行いを慎み、へりくだった言葉、小さな声でなければ、大きな気魄はでない」と続く。さまざまな過激な行動から松陰は蛮勇一辺倒な男性のイメージを持っている人が多いかもしれないが、じつはとても温厚で、女性のような優しさと落ち着きを持つ人物であったと言われている。気迫とは、人に対して恐れや威圧を与えることで出るものと思っている人がいるが、それはまったく逆効果なのである。
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『幕末の奇人・吉田松陰から学ぶ「狂うことの大切さ」』 http://matome.naver.jp/odai/2136677037722655201
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