NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

『夜長姫と耳男』

捕まえた。

「耳男よ。裏の山から蛇をとっておいで。大きな袋にいっぱい」
 こう命じたが、オレはヒメに命じられては否応もない。黙って意のままに動くことしかできないのだ。その蛇で何をするつもりだろうという疑いも、ヒメが立去ってからでないとオレの頭に浮かばなかった。

── 坂口安吾(『夜長姫と耳男』)

桜の森の満開の下・白痴 他十二篇 (岩波文庫)

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夜長姫と耳男 (ビッグコミックススペシャル)

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