NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

ちょっと良い話

今朝の北海道新聞、読者投稿欄より。

『バスで見かけた男子生徒に感心』
 先日、娘の高校で催される行事のため、妻と一緒に乗ったバスの中でのことです。2人席に1人で座っていた男子高校生が隣の席にカバンを置き、ヘッドホンをつけたまま、夢中で本を読んでいました。
 バスは次第に混んできて、その生徒の隣の席だけが空席となっていました。カバンが置いてあるので、他の乗客は座れないのです。
 すると、男子生徒のちょうど後ろにいた女子生徒が彼の肩を突つき、カバンをどけるように合図しました。男子生徒は、顔を上げて周りを見渡し、合図に素直に従いました。その後、空いた隣の席には年配の女性が座れたのです。
 バスが学校に着き、全員が降りたところで、その男子生徒が注意した女子学生に「さっきはありがとう」と言っているのを目にしました。
 その時の男子生徒の何とすがしがしく格好良かったことか。私と妻はその日一日、とてもいい気分で過ごすことができました。

安吾に曰く、

 青年は純潔だなどゝ申しても、人間は悲しいもので、年をとると、だめになります。情熱はだんだんあせ、正義よりも私利に傾き、せちがらくなり、ずるくなり、例の大人になります。けれども、我々が大人になると、あなた方青年が生れ、あなた方青年が大人になると、次の青年が生れてゐて、青年は常に無限です。この永遠の青年達の常に変わらぬ真善美への追求と愛は、この地上で最も信頼できるものゝ一つで、青年諸君は他をたよらず、他を指して我が身の口実となさず、先づ自分自身の身辺に於て自らの真善美を行ひ、生かすことです。社会を考へ、徒党を考へるのは、あとのことです。慷慨悲憤は他へ対してゞなく、先ず汝自らの内に向けられるべきです。

── 坂口安吾(『青年に愬ふ―大人はずるい―』)


学生諸君! さっそうたる明日へのメッセージ

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