NAKAMOTO PERSONAL

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華厳宗大本山 東大寺

「1300年前の縁…東大寺が1億円寄付 銀行借り入れ『宮城の文化財修復に』」(産経新聞)
 → http://sankei.jp.msn.com/region/news/110408/nar11040809260006-n1.htm

 奈良市の東大寺は7日、今月中にも銀行から1億円を借り入れ、東日本大震災の被災地に義援金として日本赤十字社奈良県支部を通じて寄付すると発表した。

 同寺によると、天平時代の大仏造営の際、宮城県涌谷町から献上された砂金が大仏に鍍金(ときん)されるなど、同県とは縁が深いという。

 この日、奈良市内で会見した同寺の北河原公敬別当は「千年に一度ともいわれる広範囲な災害であり、借財して義援金を届けることにした。被災地で被害を受けた文化財の修復にも役立てていただければ」と話した。

東大寺『1億円』借り入れて寄付 被災地と『痛みを共有』」(J-CAST)
 → http://www.j-cast.com/2011/04/08092586.html
東大寺、1億借りて義援金に『痛み分かち合う』」(読売新聞)
 → http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110407-OYT1T00472.htm
「1億円借り入れ全額義援金に 東大寺」(毎日新聞)
 → http://mainichi.jp/select/today/news/20110408k0000e040011000c.html


表白

 惟(これ)時春露輝く今日、本坊襖絵等の公開に当たり、東大寺一山大衆、此処聖武天皇殿に集いて、本願聖霊の寳前を飾り奉り、東日本大震災に因り倒れたる幽魂の菩提を祈ると共に、被災されし人々に思いを寄せ、更には震災からの復興を祈らんが為、一座の法莚を延べ奉る。
 夫れ惟(おもんみ)るに、平成二十三年三月十一日、地震地を裂き、津波群類を泥海に浚う(さらう)。言いて餘りあり記して益無しと雖も、未だ萬霊泥中に伏するを聞き、落涙頬を洗い、五内の丹心を摧(くだ)く。更には原子力発電所の崩壊を来たし、今猶不安世界を覆えり。
 此処に我等、仏恩の広大なる事に想いを馳せ、本願聖武天皇の寳前に灯(ともしび)を掲げ、群霊の冥福を祈ると共に、佛縁に託して広く功徳を廻らし、震災の復興に資せん事を願う。
 夫れ東大寺盧舎那大仏は本願聖武天皇造顕せられて由り以来(このかた)、重ねて戦火を被(こうむ)ると雖も、人皆心力をを尽くし、神霊感を致して遂に復興成り、常住不滅、実報寂光の生身の御身と準(なぞら)えらるる処也。
 四天常に来たりて擁護の恩(めぐみ)を施し、群生(ぐんじょう)を抜済して災(わざわひ)除(のぞ)こり、一切の災障皆消殄(しょうてん)せしめんとは此れ光明皇后の祈らるる処也。
 冀(こいねが)わくは、震災に倒れたる萬霊、広く佛縁を蒙りて当来には蓮池の花に遊び、被災の男女老少、憂愁(うしゅう)を掃い、心折るる事無く、共に支え、共に保ち、盧舎那仏一切諸仏菩薩慈悲哀愍の加護を得て、遂には日日行住の営みを復さん。
 更に願わくば、重々無尽の群縁、復興支援の興善を支え、一念一声というとも、追善を祈り復興に与力せん者(は)、共に等しく菩提の因を結び、生生世世、在在所所、必ず妙力に依って長らく景福を保たん事を。

 本願聖霊の御前に敬って白(もう)す


平成二十三年四月五日

華厳宗管長東大寺別当大僧正 公敬


華厳宗大本山 東大寺』 http://www.todaiji.or.jp/
東日本大震災・義援金協力について』 http://www.todaiji.or.jp/shinsai.html