NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

『CiNii』

「その数320万!巨大電子書籍データベース『CiNii』ってなんだ?」(ガジェット通信)
 → http://getnews.jp/archives/101262

日本の電子書籍ストアのコンテンツ数は、『ebookjapan』で4万5千点、『ソフトバンクブックストア』で約10万点、『パピレス』で約17万点程度である。だが、日本には約320万点という圧倒的なコンテンツ数を誇りながら、未だに広く知られていない電子書籍配信サイトがある。それが『CiNii(サィニィ)』である。

この『CiNii』であるが、本来は、日本で刊行された学術論文情報を検索の対象とする論文データベースサービスである。その検索対象は約1300万件にものぼるのだが、実はこの中でネット環境でアクセスできる論文が約320万点あるのだ。中には有料のものもあるが、その大半は無料でPDFファイルをダウンロードできる。学術論文なんて小難しいもの誰が読むんだ、という気もするが、最近は一般にも興味を引く読みやすい論文も増えており、かなりニッチな知的好奇心を満たしてくれるものがみつかるかもしれない。
実際の使い方だが、まず『CiNii』のトップページにアクセスし、検索ボックス下にある『CiNiiに本文あり、または連携サービスへのリンクあり』をチェックをチェックして、気になるキーワードを入れて検索する。こうするとネットでアクセスできる論文のみ表示される。
ここではためしに、「アニメ」と入れてみよう。検索結果は、1943件。面白そうな論文のタイトルを並べてみると
「アニメ聖地巡礼型まちづくりにおけるイベントの役割に関する研究 滋賀県犬上郡豊郷町における「けいおんがく!ライブ」を事例として」
「「聖地」へと至る尾道というフィールド 歌枕から『かみちゅ!』へ」
「アニメ聖地の成立とその展開に関する研究 アニメ作品「らき☆すた」による埼玉県鷲宮町の旅客誘致に関する一考察」
など、最近の研究ではアニメの聖地巡礼に注目が集まっていることがわかる。

学術論文というちょっと普通は手を伸ばしにくいコンテンツだが、無料で公開されているこの巨大なデータベースは使い方次第でおもしろくなるのではないだろうか。なお、iPhoneスマートフォンからでも『CiNii』のサイトは利用でき、PDFファイルをダウンロードすることができる。日常のふとしたことで気になったキーワードを、Wikipediaからさらに一歩進んで調べようとするときに、ぜひこの『CiNii』を活用してほしい。

『CiNii』 http://ci.nii.ac.jp/