NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

「コンクリート入りダンボール」

nakamoto_h2011-01-20

「またも中国で悪質偽装か? 重量を水増しする『コンクリート入りダンボール』」(ロケットニュース24)
 → http://rocketnews24.com/?p=67042

 先日、「中国産サプリメントの上げ底がひどすぎる」と伝えたが、ここに来てまた新たな偽装が明るみになっている。北京市郊外の果物卸売り市場で、重さを水増しする「コンクリート入りダンボール」がはびこっていることがわかったのだ。

 販売者が不正に利益を得ようと、リンゴ用のダンボールの隙間に、コンクリートを流し込んで重さをごまかしているのである。重さを稼ぎその分料金をピンハネしているのだ。コンクリートの量は加減することができ、通常のダンボールが1キロに満たないのに対し、この「コンクリート入りダンボール」は通常2.5キロ、重いものでは7倍近い3.5キロにもなるという。販売者によるとこのダンボールの使用は市場内で既に暗黙の了解となっているらしい。一説によると市場の8割以上の店舗が使用しているというのだ。そしてこのダンボール、すでに福建省湖北省西安市など北京以外にも広がりつつあるという。

 ある店主が、この悪質な偽装についての秘密を明かした。「この箱を使い始めて1〜2年になるかな。普通リンゴは1箱17.5キロくらいなんけど、この箱を使えばこれだけで2〜3キロは重くなる」と語り、「まぁ、こうでもしないと儲からないんでね」と、悪びれる様子もない。

 どうやらコンクリート入りダンボールは、中国リンゴの産地でもある甘粛(かんしゅく)省の静寧(せいねい)県で製造されているらしい。他の場所では手に入らないという。先の店主によれば、「こういう箱は作るのに専用の設備も要るし、大量生産しないと元がとれないらしいよ。みんな静寧県から買ってるね。もちろんうちもだけど」として、普通のダンボールが1箱6元(約74円)に対して、コンクリート入りダンボールは7.3元(約91円)。小さな投資で大きな利益が得られるというわけだ。また、ダンボールの重さは注文の際に指定できるのだ。

 ではなぜ、リンゴなのか? 理由はとても単純だ。「皆やっているから」と店主は語る。「全ての店がこの箱を使えば、それしか買わざるを得ないだろう? だから成功したんだよ。リンゴ専用ってところかな」。つまり、リンゴの箱は水増ししてあって当たり前になってしまっているようだ。

 だが、消費者や行政も騙されたままではない。とある男性はリンゴを箱買いしようと市場に行ったのだが、現状を知り購入をやめたという。また、悪質な詐欺行為として「発見次第厳罰に処す」としている自治体も出てきた。悪質な偽装が常態化してしまった中国のリンゴ市場は、今後失った信用を取り戻せるのだろうか? 速やかに全貌が解明されることを願う。