NAKAMOTO PERSONAL

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見え始めた『超リベラル』

「官房長官、見え始めた『超リベラル』 戦後補償の狙いは慰安婦賠償か」(産経新聞)
 → http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100708/plc1007082306011-n1.htm

 菅直人内閣の要である仙谷由人官房長官が、新たな戦後個人補償の検討を表明するなど「超リベラル」な志向を見せ始めた。東大在学中は全共闘で活動し、社会党時代は田辺誠土井たか子両委員長と親密だった仙谷氏。民主党に移った後はリベラル色を極力封印し、現実路線を標榜(ひょうぼう)してきたが、本質は変わらないようだ。
(阿比留瑠比)
 「結局、元慰安婦への賠償法案がやりたいんじゃないか。民主党がやろうとした外国人地方参政権、夫婦別姓、人権侵害救済機関の3つは棚ざらしだ。むしろ争点になっていない慰安婦の件の方が危ない…」
 仙谷氏が7日の記者会見などで突如として主に韓国に対する新たな個人補償の検討を表明したことを受け、戦後補償問題に詳しい現代史家の秦郁彦氏はこう指摘した。
 仙谷氏は個人補償の対象をあえて明確にしなかったが、日本外国特派員協会の講演でフィリピンや韓国の慰安婦補償請求訴訟などに深くかかわってきた高木健一弁護士を「友人」として挙げており、狙いは元慰安婦に国が謝罪と金銭支給を行う「戦時性的強制被害者問題の解決促進法案」にあるとみられる。民主党は平成20年まで9年間法案を常に国会提出しており、仙谷氏も主導した一人だ。


 日韓両国の個人補償請求問題は1965(昭和40)年の日韓基本条約とそれに伴う協定で「完全かつ最終的に」解決されている。にもかかわらず仙谷氏は「当時の韓国は軍政下だった。法律的に正当性があると言ってそれだけでいいのか」と述べ、「政府見解」に異を唱えた。
 菅内閣は「北朝鮮との国交正常化を追求する」としているが、仙谷氏の解釈に従えば、軍事をすべてに優先させる「先軍政治」を掲げる北朝鮮と国交正常化しても無効ということになるのではないか。
 「全共闘のときの『孤立を恐れず』を政治の場でやるとすってんてんの少数派になる。政治をやる以上は多数派形成をやる」
 仙谷氏は7日の講演でこうも語り、現実主義への「転向」理由を説明した。現在は日米同盟を重視し、内政でも消費税率引き上げを「やむなし」とする財政再建論者となっている。
 だが、仙谷氏の現実主義は、自身の本音を隠す方便のようにも見える。菅内閣発足で政府のスポークスマンに就任すると独善的な姿勢を強め、政権への疑問を受け付けないかたくなな姿勢をあらわにし始めた。


 菅首相や政権への世間の批判が強まれば、各メディアの報道に責任転嫁。報道各社の世論調査で内閣支持率が低下すると、昭和5年の「統帥権干犯」問題になぞらえ、「メディアの大衆的な追い込みはとても危ない」と批判した。
 ごまかしや奇妙な言い逃れも目立つ。首相が過去に沖縄県独立を望む発言をしたことを問われると「刑事訴訟法でいえば証拠能力がない」とけむに巻いた。戦後補償問題も同じように詭弁(きべん)を弄(ろう)して推し進めるつもりなのか。