NAKAMOTO PERSONAL

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家族の絆

「【主張】夫婦別姓 家族の絆を壊しかねない」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/life/lifestyle/091001/sty0910010338000-n1.htm

 夫婦が別の姓でも婚姻関係を保てるとする選択的夫婦別姓制を導入する民法改正案が来年の通常国会に提出される見通しになった。推進派の千葉景子法相と福島瑞穂男女共同参画担当相が早期法改正に意欲を見せているためだ。
 千葉法相は「(夫婦別姓が)これまで実現しなかったことが異常だ」とも述べた。平成8年に法相の諮問機関が選択的夫婦別姓制導入を答申し、これに沿った法務省案が作られたことなどを指した発言だ。自民党法務部会で独自の改正案が示されたこともある。
 しかし、その度に、「家族の一体感が損なわれる」などの強い反対意見が出され、実現には至らなかった。「異常」の一言で片づけられる問題ではない。
 一時期、内閣府の調査で、夫婦別姓への法改正を容認する声が法改正を不要とする声を上回ったこともあるが、最近は、賛否が拮抗(きっこう)している。また、中高生の6割以上が「両親の別姓」を嫌がっているという別の調査もある。
 家族は夫婦だけではない。親の都合だけで考えれば、別姓で支障がないかもしれないが、子供は必ずしもそれを望んでいないのだ。親子の絆(きずな)を強めるには、やはり夫婦が同姓でいることが教育上、好ましいことは言うまでもない。
 社民党から入閣した福島氏は「(別姓導入で)家族の絆が弱まることはあり得ない」と断定的に言っているが、子供の側に立てば、そうは言えないだろう。
 夫婦別姓は民主党の政策集に掲げられていたが、マニフェスト政権公約)から外された。それをなぜ、急ぐのかも疑問だ。
 男女共同参画社会にあって、特に女性が婚姻後も仕事を続けていくためには、婚姻前の姓を通す必要があるケースが多い。以前、自民党の高市早苗氏らは、婚姻前の姓を通称として旅券などの行政文書にも使用できるようにする戸籍法の一部改正案を示した。別姓を目指す法務省案より、はるかに現実的な提案だった。
 あえて夫婦別姓を導入しなくても、夫婦が家庭と仕事を両立させるための方策は、いくつも考えられる。鳩山内閣はまず、このことに知恵を絞るべきだ。
 自民党の谷垣禎一新総裁は就任後の会見で、夫婦別姓に慎重な姿勢を示した。野党として、夫婦別姓など鳩山内閣の行き過ぎた動きを正す責務がある。

中高生の6割以上が「両親の別姓」を嫌がっているという事実。
そのうち両親も祖父母も子供達も、みんな違う名字で散り散りバラバラ。


こういった長い歴史に基づく伝統や風習は簡単に変えるべきではない。
というのがぼくの考え。

 「初めに私というものがあって、その私が習慣を身につけるのではない。習慣というものがあって、初めて私があるのである。頭を切換えたら、私はなくなる。習慣を習慣なるがゆえに軽蔑して頭の切換え運動を続けてきた日本の近代史は、そのまま日本の自己喪失史である。」

── 福田恆存『人間・この劇的なるもの』