2009-02-25 一日一言 二月二十五日 人間の徳 今日は天神祭として菅原道真公を記念する日である。学があっても徳がなく、徳があっても学がない、となりがちなこの世に、道真公の学問と徳の両方を備えていることは、実に尊いことである。学問を極めた人が徳を身につけることは、平地から高い山に登るように厳しいが、徳を修めた人が学問を修得することは、山頂から山の麓に出るようなものである。人間の徳はいわば人の主人で、学問は人のしもべであると言える。 こゝろだに誠の道にかなひなば 祈らずとて神や守らん ── 新渡戸稲造『一日一言』