NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

The Power of Dreams

「【断 二宮清純】夢ある車作りの物語示せ」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/sports/other/081219/oth0812190335001-n1.htm

 ホンダのF1シリーズからの撤退は、あらゆる方面に波紋を広げている。かつてホンダは2度、同シリーズを「休止」しているが、今回は「撤退」だ。「入社動機はF1」とまで語っていた福井威夫社長がそこまで明言した背景には何があるのか。
 ホンダのF1参戦コストは開発費を含め、年間約500億円といわれる。これは営業利益の約1割にあたる。資金も人材も情熱もF1に投入してきた。「これを新しい時代に振り分けるべきだというものすごい意思がある」と福井社長は説明した。
 問題はその中身だ。ヒントは福井社長の以下のコメントの中にある。「100年間、自動車産業が繁栄してきて大きな次の100年に向かう新しい時代に入った」「これからは従来とは全く違った価値観での車作り、技術が必要だと思っている」。見えてくる新時代の車の姿はハイブリッドや小さくて燃費が良い車、高価な原材料を使用しない車…。しかし、それだけでは物足りない。不況下、世界中がワクワクするような技術の物語を提供してもらいたい。
 創業者である本田宗一郎は数多くの名言を残している。代表的なものを一つ紹介しよう。「チャレンジしての失敗を恐れるな。何もしないことを恐れろ」。経営環境が悪化しました。金食い虫のF1からは手を引きます。株主の皆様、どうぞご理解を−。これでは夢も希望もない。「向こう100年の自動車産業のデザインはホンダが描く」。それくらいの気概を全世界に示してもらいたい。ホンダの最大のDNAは創業者の「挑戦者魂」であると信じたい。

ホンダは、夢と若さをもち、理論と時間とアイディアを尊重する会社だ。


とくに若さとは、「困難に立ち向かう意欲」と、「枠にとらわれずに新しい価値を生む知恵」であると思う。

― 本田宗一郎『本田宗一郎からの手紙』


[新装版]本田宗一郎からの手紙

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ホンダの価値観―原点から守り続けるDNA (角川oneテーマ21)

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