源語梯
「源氏物語の“辞書”版木発見 奈良大所蔵」(産經新聞)
→ http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/081204/acd0812042048003-n1.htm
奈良大(奈良市)が所蔵する版木の中から、江戸時代後期に発刊された源氏物語の語句解説書(辞書)「源語梯(げんごてい)」の版木2枚が見つかり、同大が4日、発表した。文庫本サイズの小本3冊で構成された初版本の一部とみられる。源氏物語に関する版木の現存が確認されたのは初めてという。
調査した同大の永井一彰教授(近世国文学)は、版木は明治までの100年間ほど出版に使われたと推測。手軽な辞書の版木は源氏物語の読者層の広がりも伝える貴重な資料となるという。
見つかった版木2枚は他の版木とともに同大が京都市内の古書店から購入。データベース化に伴い、永井教授が照合調査したところ、同大などが所蔵する初版本と一致し、「源語梯」と判明した。いずれも縦13センチ、横56センチ、厚さ2センチで、1枚の表裏に各2丁(1丁は2ページ分)が彫られている。小本3冊(上、中、下巻)は計178丁から成り、通常、版木は4丁張り仕立てであることから、もとは約45枚あったことになるという。「源語梯」は源氏物語の中の語句をいろは順に並べ、登場人物の行為や時節などのジャンルに分けて収録。天明4(1784)年に大坂、京都、江戸で発売された。見つかった版木では、例えば、「桐壺」の巻(帖)にある《うへびと》を「殿上人なり」、「葵(あおい)」の巻の《うすゞみごろも》を「妻の服なり」などと説明している。
版木は墨の残りも濃く、出版を重ねたことがうかがえるという。版本は初版から約40年後の文政6(1823)年出版分が残っているが、版木がリサイクルなどされずに残っていたことで、明治時代まで出版が続いていたと推測されるという。江戸時代は源氏物語の概説書や注釈書類が多く出版されており、現存する版木は当時の出版状況を知るうえで貴重という。
『源氏物語 - Wikipedia』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%90%E6%B0%8F%E7%89%A9%E8%AA%9E
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