NAKAMOTO PERSONAL

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誇り高き戦士

「マサイ族の戦士、「井戸」のためロンドン・マラソン出場へ」(CNN.co.jp)
 → http://www.cnn.co.jp/world/CNN200804110020.html

ロンドン(CNN) タンザニア北部で暮らすマサイ族の戦士6人が、13日開催のロンドン・マラソンに出場する。村に井戸をつくる資金集めが目的だ。戦士たちの村では水が足りず、赤ちゃんの3人に2人が亡くなっているという。

タンザニア北部エラウイ村の戦士たちは、同国で活動する非営利旅行会社のグリーンフォースから、ロンドン・マラソンの話を聞いた。

マラソンに参加することで、基金集めができることを知り、訪英を決めた。いつでも水がくめる井戸を作るために必要な資金は、12万ドル。

戦士を手伝うグリーンフォースの探検リーダー、ポール・マーティンさんは、「彼らはマラソン参加で基金集めができると聞いて、本当に驚いたようだ。マサイ族にとって、強い走者であることは誇りでもある。この話をしてから、彼らが参加を決めるまで、ほとんど時間はかからなかった」と述べている。

しかも戦士らは、マサイ族の伝統的な衣装をまとったまま、マラソンに参加するという。伝統衣装でロンドン市内を訪れる戦士たちは、すでに注目の的となっている。

戦士らを率いるイサヤ・オレポルオさん(24)は、「私たちは、多くの弟や妹を亡くしている。誰か、手助けしてくれる人々を見つけられると思う」と語っている。

ロンドン・マラソンには毎年、約4万人が参加。有名人も多く走り、オープニングのイベントは大いに盛り上がる。

しかし、オレポルオさんにとって望みは2つだけ。マラソンへの参加と、「ぜひとも、エリザベス女王にお会いしたい」ことだ。


戦士の誇りを胸に、頑張れ。


おのれらは貧と賤とを悪と呼ばわるか。


富と貴とを、善なりと唱えなさるのか。


ならばわしは、誇り高き貧と賤とのために戦い申す。


断じて、一歩も退き申さぬ!

─― 浅田次郎『壬生義士伝』