NAKAMOTO PERSONAL

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KTC

「【京都MONO語り】京都機械工具「KTC」 こだわりが生んだ機能美」(産經新聞
 → http://sankei.jp.msn.com/culture/arts/080205/art0802051647003-n1.htm

 いやぁ、そそられます。ずらりと並んだレンチにスパナにドライバー…、なかには使い方のわからないものもあるけれど、思わず手に取りたくなる。精密さが織りなす美に魅入られるのか、メカ好きな男心を刺激されるのか…。これらのハンドルツール(手持ち工具)を製造している京都府久御山(くみやま)町の京都機械工具は、自動車整備用の工具では国内シェア約7割を誇るトップメーカー。世界最高峰の自動車レース、F1でも使われているこれらの工具には、ものづくりにこだわる古都の情熱が詰まっている。
 ■F1が認めた「ホンモノ」
 京都機械工具は1950(昭和25)年の創業。戦前、海軍に戦闘機用の整備工具も納めていた機械工場に勤める3人が、戦後になり機械製造が中心業務となったため「これからはハンドツールの時代」と独立した。
 こうして設立された会社の製品は創業時からトヨタ自動車の車載工具に採用された。「当社の工具需要は繊維機械用などが中心。工具業界は戦前からの会社が多いが、我が社は戦後生まれの新規参入なので、自動車の工具を手がけられたのだろう」と宇城邦英(うしろ・くにふさ)社長(55)。当時の自動車業界はまだ黎明(れいめい)期。その後、日本のモータリゼーションの拡大とともに発展してきたのだ。


 製品は「工具メーカーでは1社だけ」という一貫生産方式でつくられている。
 金属加工には、材料の切断からはじまり、鍛造、成型、刻印、熱処理、研磨など多くの工程があり、それぞれに専門の業者もある。しかし「自らの手でやらなければいい物はできない」との信念を貫いてきた。それは独自のつくり方を考えることにもつながり、現在所有の約900台の機械にはオリジナルのものも含め、すべてに何らかの手が加えられている。
 ここまで、ものづくりにこだわるのはなぜか。「使う人に『よくぞここまで』と、作り手の熱い思いを共感してもらうことが、購入動機につながると考えるからです。プロの整備士をうならせられるか、アマチュアの人に土日を楽しんでもらえるか。一つひとつに徹底的にこだわらないと、感性に訴えることはできない」(宇城社長)。
 試しにボルトを締める工具の一種、ラチェットハンドルを持ってみた。適度に重さを感じるが手になじみ吸い付くようだ。ボルトを締めるという機能はもちろんだが、車の下にもぐり、仰向けになって使われることも考えて、持ち手の太さやヘッドとの重量バランスが徹底して追求されている。それは安全性と作業効率の向上につながる。


 最上級の「ネプロス」シリーズの工具をF1のトヨタチームに持ち込んだ際、担当者は手にした瞬間に「オレの探していたのはこれだ」とうなり、テクニカルパートナーとして工具を供給することが決まった。特別製でなく市販品がF1の現場で活躍しているのもものづくりへのこだわりの表れだろう。また、工場に併設した自社製品の展示や工具体験もできる建物に“工具博物館”ではなく「ものづくり技術館」と名付けたのも、そうだろう。
 使う人のことを第一に考え手を抜かない。この精神はこれまで当欄で取り上げてきた伝統工芸品にも通じる。宇城社長は言った。「京都は住環境の中に、本物がいっぱいある。真剣に100年やって、やっとお仲間にという世界で、本物を作らないとよしてもらえへんやないか、とやってきたんでしょう。地域力がはぐくんでくれたんでしょうね」
 ■車の整備 光と音でサポート
 ラチェットとは動作方向を一方に制限するため用いられる機構のこと。先端にソケットを装着し、ボルト、ナットを締め付けるのに使うラチェットハンドルに、締め付ける力(トルク)の数値を計測してデジタル表示する機能が付いている。
 タイヤやブレーキ、エンジンなどに使われるボルトは、それぞれ適正なトルクが決まっている。ゆるいのはもちろんダメだが、強く締め過ぎてもボルトが破断する危険がある。


 京都機械工具が2005年に発売したこのデジラチェは、従来、安いものでも6万円はしたというこの手の工具の価格設定を大きく下回る2万円台の価格を実現。宇城社長は「命に関わるものなので整備する人、一人一人に持ってほしかった」との開発の動機を語る。
 設定したトルクに達すると音と光で教えてくれるデジラチェ。ねじ回しが楽しくなりそう?
 (文:今城敬之/撮影:加藤孝規/SANKEI EXPRESS)
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 ■京都機械工具 コミュニケーションは「KTC」。1950年、京都市南区で創業。主に自動車整備の工具を中心に、製造するアイテムは約8000。アイテム数、生産量ともに国内トップの実績を誇る。2003年4月には、創立50年を記念して、「ものづくり技術館」をオープンさせた。3000アイテムを一堂に展示するほか、実際に工具に触れられるコーナーや車の修理を体験できるピットも備えられている。これまでに約2万3000人が訪れた。見学は無料(要予約)。京都府久御山町佐山新開地128。

ぼくも愛用しています。


『KTC京都機械工具ホームページ』 http://www.kyototool.co.jp/


これ、欲しい...。
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