BESSON!
「『アーサーとミニモイの不思議な国』フランス発 反骨ファンタジー」(産経新聞)
→ http://www.sankei.co.jp/culture/enterme/070921/ent070921001.htm
仏映画界の大御所、リュック・ベッソンが監督・脚本を手がけた最新作「アーサーとミニモイの不思議な国」(22日公開)は、実写と立体CGアニメを組み合わせたユニークな冒険ファンタジー映画だ。「ディズニーと宮崎アニメのほぼ中間」という今回の作品。代表作「レオン」(1994年)などで知られるハードな作風からの“転向”について語った。
やんちゃ盛りの10歳の少年アーサー(フレディ・ハイモア)は、借金苦で立ち退きの危機に直面する我が家を救うべく、行方不明のおじいさんがアフリカから持ち帰ったルビーを探し回る。
ところが、冒険家のおじいさんが残した書物を読むと、家の裏庭の地下に体の大きさがたった2ミリの謎の小人「ミニモイ族」の世界があり、そこに宝物があるという。実は彼もそこで行方不明になったのだ。アーサーは意を決しミニモイの国に。彼はミニモイ族と同じ姿になり、王女セレニア(声・マドンナ)らと宝物を探す旅に出る…。
同じ立体CGアニメでも米のものとはタッチがまるで違う。登場人物の細かな表情や動作は繊細で、咲き乱れる花々や草むら、小川といった大自然の色彩も限りなく柔和。物語の展開やアクションシーンもかなり抑えめ。
プロの「殺し屋」を扱った「ニキータ」(90年)や「レオン」でのハードボイルドな作風から一転、こうした児童向けファンタジーを撮ったのには理由がある。
「若い頃は自分より年長者に向けて突っ張った作品を作ったが、年を重ねると年下を相手にせねばならない。という訳で今回、子供のための作品を手がけたんだ」
といっても大人だって十分楽しめる質の高い内容。何より、ハリウッドの物まねではなく「欧州のアイデンティティにこだわった」(監督)製作ポリシーにひかれる。
本作で一番訴えたかったことは想像力の大切さだという。
「インターネットやビデオゲームのせいで子供たちの想像力が欠如している。小さい頃、石ころでよく遊んだよ。僕の想像力で石ころは宇宙船にもトラックにも飛行機にもなった。今の子供たちは石ころは永久に石ころで、トラックに飽きたら別のおもちゃをねだるんだ。悲しいね」
金もうけがすべての米国型市場原理主義へのアンチテーゼの意味合いもある。「無知な投資家がしゃしゃり出てきて映画製作から自由を奪っている。米の映画スタジオでは創造的な人々がどんどんクビになり、見渡せば法律家や会計士や銀行員ばかり。創造的な作品が生まれるわけがない。株価が上がれば何やってもOKっていう恥知らずが多過ぎるんだ」と手厳しい。
「世の中、そんな人間ばかりになったら、未来の子供たちに申し訳が立たない。だからこの映画を作ったんだ。自然を大切にして想像力豊かに育ってほしいとの願いを込めたんだよ」
児童ファンタジーというスタイルをとっても、反骨の精神に変わりはないようだ。
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ベッソンは『グラン・ブルー』、『レオン』はもちろんだが、カーアクションものがオススメ。
『TAXi』では元F1ドライバーの“ジャン=ルイ・シュレッサー”らがスタントをやっているし、『ミシェル・ヴァイヨン』に至っては“ルマン24耐”で実際にエントリーして撮っています。
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