NAKAMOTO PERSONAL

空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。

節分

今日は節分。

『産経抄』より
 → http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/sankeisho/070204/sks070204000.htm

 江戸時代までの日本人は太陰太陽暦のほかに「二十四節気」という生活暦のようなものを発明していた。冬至の日を基準に約15日目ごとに「小寒」「大寒」と迎えていく。月の満ち欠けによる太陰太陽暦より実際の季節感に近いものだった。

 ▼その冬至から45日目が立春である。前日は言うまでもなく節分だ。「季節を分ける」の意味だから当然、立夏や立冬の前の日も節分なのだが、今、行事として残っているのは立春前の節分だけだ。日本人にとって、春を迎えるのがいかにうれしかったか示しているようだ。

 ▼節分で追いだす鬼は隠れるという意味の「隠(おん)」がなまったものとされる。吉野裕子さんの『陰陽五行と日本の民俗』は「隠は陰で、陽・顕に対するもの、陰気の象徴である」という。冬の間の寒気だとか病気とかいった好ましくないものが鬼だったのだろう。

 ▼寒さがいちばんの敵という時代だった。それが今年はこの「暖冬」である。鳥インフルエンザはなお不気味だが、節分前に鬼も早々と退散したような陽気が続いている。代わりにスキー場が開けない、冬物衣料が売れないといった「被害」が続出しているという。

 ▼ところが、1年前の立春の日の最高気温を調べてみると、大阪4・3度、東京5・1度である。日本列島全体が凍りつくような一日だった。新潟や長野などの記録的豪雪もまだ記憶に残る。季節はなんと気まぐれなことか。上手につきあっていくしかないのである。

 ▼もっとも、長期的地球温暖化となると気まぐれではすまされない。国連の部会報告によれば今世紀末には最悪6・4度も平均気温が上がる。ほとんどが人的要因だという。2億人もが「気象難民」になる恐れもある。立春に、考えさせられる報告だ。


『節分 - Wikipedia』 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AF%80%E5%88%86