子供
元旦の社説より。
「【年頭の主張】凜とした日本人忘れまい 家族の絆の大切さ再認識を」(産経新聞)
→ http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070101/shc070101000.htm
かつて日本は「子供の楽園」と表現された。最初にそう表現したのは江戸末期に来日した英国の外交官オルコックだった。以来、訪日欧米人たちはこの表現を愛用してきたと『逝(ゆ)きし世の面影』(渡辺京二氏著)が紹介している。
《世界中で日本ほど、子供が親切に取り扱われ、そして子供のために深い注意が払われる国はない》(大森貝塚の発見者モース)
《日本の子供はけっしておびえから嘘(うそ)を言ったり、誤ちを隠したりしません。青天白日のごとく、嬉(うれ)しいことも悲しいことも隠さず父や母に話し、一緒に喜んだり癒やしてもらったりするのです》(英国公使夫人のフレイザー)
決して大昔のことではないこれら目撃談に、まさに「逝きし世」と現代人の多くは隔世の感を覚えるほかないだろう。愛らしく、その上礼節も備えた子供たちは一体どこへ消えたのだろうと問う渡辺氏は、続けてこう書いている。
《しかしそれはこの子たちを心から可愛(かわい)がり、この子たちをそのように育てた親たちがどこへ消えたのかと問うことと同じだ。…この国の家庭生活が、どこへ消えたのかと問うこととひとしい》
子供ではない。問題は親、大人たちなのである。子は親の鏡である。
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