「勇敢たれ、楽天的たれ、ムキになるな」
『たけしの日本教育白書 2006』 http://www.fujitv.co.jp/kyoikuhakusho/index2.html
今年のテーマは“品格”。
18時からずっと観てました。
途中紳士の国と言われるイギリスのパブリックスクールでの紳士教育が紹介されていた。
10数年前、カナダでの独り暮らしの中、雑誌の切り抜きをメモしたのを思い出した。
以下、当時のメモ帳より。
ご多聞に洩れず、私もパブリック・スクール、イートン校の出身である。
我が母校の教育方針は、
「勇敢たれ、
楽天的たれ、
ムキになるな」
というものであった。
男の人生においてもっとも大事なのは、勇敢であるということだ。勇敢でなくて、どうして運命を拓いて行けるだろうか? 心がひるんだら、人生の戦いは終わりである。いったん負け癖がついたら、男はもう王道を歩んで行くことはできない。ただし誤解のないように断っておくと、勇気と蛮勇とをはき違えてはならない。進むも勇気なら退くも勇気なのである。ただやみくもに突き進めばいい訳ではないのだ。人生には心ならずも退かねばならないことがある。傍目にはカッコ悪く映るかもしれず、自分の沽券にかかわるように思えても、一歩下がって次の飛躍に備えねばらない局面があるのだ。こういう時に、後先も考えずに進むのは、蛮勇でしかない。蛮勇 ― 要するに、バカである。
人は、万人注視の下ではヒロイックになれる。死ぬことさえする。が、本当の勇気とは誰の目もないところで苦しみや悲しみに耐え、生きて行くことだ。それが男なのである。その際、楽天的でなくてはならない。人生、悲観的なやつに拓かれることなく、幸運の女神もペシミストのドアにノックはくれないのである。が、どうしたら楽天的たり得るのか? 人生の悲劇のひとつは、記憶の重荷である。 ― と言ったのはサマセット・モームだが、あらゆる嫌な記憶を忘れる修練を常に欠かさないこと、この一点に尽きると言っていい。
ムキになるな。人間、ムキになると思考が停止する。バカ同然になる。バカは、粋ではない。なにより私は、無粋を恥じる。私はイートン校の落とし子である。
─― ほら吹き准男爵 サー・アンソニー・ブランメル・バート(とメモしてあるが、今となっては何の事だか...。)
司馬遼太郎や武士道、自殺については色々書きたいことはあるが、何度も書いているのでまた次の機会に。
(司馬遼太郎、21世紀に生きる君たちへ)
『21世紀に生きる君たちへ』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20060505
(会津武士道について)
『権利と義務』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20060227
『Zero Tolerance』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20051116
『「ならぬことはならぬものです。」』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20050823
(自殺について)
『「まねするばか」』 http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20041014
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