壁
一昨日に続き茂木健一郎さんの言葉。
「NHK プロフェッショナル 仕事の流儀 『ひるまず 壁に立ち向かえ:プロフェッショナルの逆境克服法』」より。
→ http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/060810/index.html
(どうして、自分をさらけ出す事で壁を乗り越える事が出来たんでしょうか?)
人間の脳には“共感回路”ってのがあるんですよね。相手が感じてることを、あたかも自分が感じてるように感じる回路。それは特に相手の弱みとか痛みに対して働きやすいんです。ですから、特に普段自信たっぷりで、人にあまり弱みとか自分の失敗とかをさらけ出さない人がさらけ出すと、ものすごくインパクトがあって共感回路も活性化しやすいんです。
(でも中々自分をさらけ出すってことは大変ですよね。)
そこにまさに壁があるんですよ。ですからね、人間関係の壁っていうと自分と相手の間にあるように思うんですけれど、実は自分の心の中に壁があるんですね。秋山さんの場合はだから中々自分の弱みとかをさらけ出せなかったっていう、そこに壁があった訳です。
ですからポイントは自分の心の中の壁を壊す。それを乗り越える。そういう勇気を持つことなんです。
そしてもう一つ、秋山さんの事例で重要なのは、追いつめられて、オフィスを飛び出して遊園地に遊びに行っちゃったっていうことなんですよ。それでちょっと気持ちの余裕が出て、職場に戻って、それが自分を変えるきっかけとなった。
つまりね、ポイントはその現場を逃げ出してしまうってとこにあったんですね。
実はね、脳科学では、自分自身を変えるきっかけがね、自分自身のありのままをちょっと外から眺めてみる。ですから、秋山さんのように物理的にちょっと距離を離して普段の生活の現場、あるいは仕事の現場から離れたところから自分を見つめることが有効だってことがわかってるんですね。
(客観的に自分を見つめることによって)壁を乗り越えるスタートラインに立つことが出来るんですね。
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