大人のやりとり。
「ブッシュ氏、目が悪い記者のサングラスからかい、謝罪」(CNN.co.jp)
→ http://cnn.co.jp/usa/CNN200606150034.html
ワシントン──米ブッシュ大統領が14日、曇り空の下での記者会見中に、サングラスをかけていた記者をからかった。しかし、この記者は、目の病気のためにサングラスを手放せないことが判明。ブッシュ大統領は同日、記者に電話をかけ、謝罪した。
ホワイトハウスの庭で、記者からの質問を受け付けていたブッシュ大統領は、ロサンゼルス・タイムズ紙のピーター・ウォールステン記者の質問に、「では、サングラスをかけたピーター」と指名。「みんなには、太陽は見えていないよ」とからかった。
ウォールステン記者はこのからかいに、サングラスをつけている理由は説明せず、「このままで」と返事して、質問にうつった。
ところがウォールステン記者は、若年性の黄斑変性症のため視力が弱く、曇り空で直射日光がなくとも、痛みが生じたり、視力が悪化するため、サングラスは手放せない状態だった。
一見、よくある大統領への批判記事に見えるが、二人の大人のやりとりが良い。
これが日本なら、ここぞとばかりに人権運動家が叫び出しそうだが。
このことを記者会見後に知ったブッシュ大統領は、ウォールステン記者の携帯電話に電話し、病気のことは知らなかったと謝罪した。
これに対しウォールステン記者は、あの場にいた人々には自分の病気のことは話しておらず、大統領が謝る必要はないと伝えたという。
同記者は、「大統領は『君らとはなじみがあるし、愛情の裏返しでからかっているんだよ』と説明したので、『それはよくわかっています。でも、病気があるからといって、これから私を特別扱いしないで下さい』と伝えた」と話している。
さらに、ウォールステン記者を特別扱いしないと言った大統領に、「これからも記者を冷やかして下さい」と言ったところ、「もちろん。この次の機会には、別のやり方でね」と切り返してきたという。
ウォールステン記者は、この件については何の問題もないが、唯一の不満は、大統領が記者会見中にちゃんと質問に答えてくれなかったことだと語っている。