似非科学
「『ニセ科学』どう向き合う 物理学会、3月にシンポ」(朝日新聞)
→ http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200601050043.html
日本物理学会(約1万8千人)が3月に松山市の愛媛大で開く学会で、「ニセ科学」について議論する。これまでは「相手にしない」姿勢だったが、「社会的な影響は無視できない」として、シンポジウムを開いてどう対応すべきか考える。研究者が集まる学会の場でニセ科学がとりあげられるのは珍しい。
シンポを企画した田崎晴明・学習院大教授(統計物理学)によると、最近のニセ科学は「科学らしさ」を装っている場合が多く、オカルトや心霊現象にはだまされない人でも、「科学」として信じてしまう場合が少なくない。ニセ科学に詳しい菊池誠・大阪大教授(同)によると、「水に優しい言葉をかけると美しい結晶ができる」などとする珍説が、小学校の授業で紹介されている。
シンポは学会最終日の3月30日に開催。「『ニセ科学』とどう向き合っていくか?」をテーマに、根拠がはっきりしない「健康にいい水」などの実例を紹介し、それらを生み出した社会的要因を考える。
日本物理学会の佐藤勝彦会長(東京大教授)は「ニセ科学を批判し、社会に科学的な考え方を広めるのは学会の重要な任務の一つだ」と話す。
『Hal Tasaki’s -log p』 http://d.hatena.ne.jp/hal_tasaki/20051217
『物理学会でのシンポジウム開催のおしらせ』 http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/events/JPSsympo0306.html
似非(エセ)科学とは。誤りを含んだ科学とはまったく別のものである。それどころか、科学には誤りがつきものなのだ。その誤りを一つずつ取り除き、乗り越えてゆくのが科学なのである。誤った結論は毎度のように引き出されるけれども、それはあくまでも暫定的な結論でしかない。科学における仮説は、必ず反証可能なように出来ている。次々と打ち立てられる新たな仮説は、実験と観察によって検証されることになるのだ。科学は、さらなる知識を得るために、手探りしつつよろめきながら進んでいく。もちろん、自分が出した仮説が反証されれば嬉しくはないけれども、反証が挙がることこそは、科学的精神の真骨頂なのである。
これと正反対なのが似非科学だ。似非科学の仮説は、どんな実験をしても決して反証できないように仕立てられている。つまり、原理的に反証できないのだ。似非科学をやっている連中はなかなか用心深いので、懐疑的に調べようとしても妨害されてしまう。そして、似非科学の出した仮説を科学者が支持しなかったりすると、なんとかごまかす策謀がひねりだされるのだ。
―─ カール・セーガン(『カール・セーガン 科学と悪霊を語る』)
http://d.hatena.ne.jp/nakamoto_h/20051123
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