「豚」
「『死んだ人、生き返る』小中学生の15%…長崎県調査」(読売新聞)
→ http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050124it16.htm
「生と死の意識:『人は生き返る』が15% 長崎の小中学生」(毎日新聞)
→ http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050125k0000m040105000c.html
「生き返る」と答えたのは小学4年14.7%、同6年13.1%。中学2年は18.5%で、小学生よりも高かった。
このうち小、中学生503人に追跡調査した結果、「生き返る」と思っている理由は、本や人の話など=49.3%▽テレビや映画などで見た=29.2%▽ゲームではリセットできる=7.2%。
「その他」14.3%の記述回答では、小学生は「生き返ると信じたい」など願望が目立ち、中学生では「技術発達でクローンができる」という答えもあった。共通して「生まれ変わる」「医学が発展すれば生き返る」との回答があった。
県教委は「子どもたちは自らの経験ではなく、周囲の情報の影響を受けて死を認識している」などと分析している。
情報過多。テレビやインターネットなどの大量の情報で知ったつもりになっている。
情報、知識と体験との区別がなくなっている。
ゲームや新興宗教などのエセ科学による安直な世界観が蔓延しているのではなかろうか。
安吾は言います。
「死ぬ時は、ただ無に帰するのみであるという、このツツマシイ人間のまことの義務に忠実でなければならぬ。私は、これを人間の義務とみるのである。生きているだけが、人間で、あとは、ただ白骨、否、無である。そして、ただ、生きることのみを知ることによって、正義、真実が、生れる。生と死を論ずる宗教だの哲学などに、正義も、真理もありはせぬ。あれは、オモチャだ。」
要は、一度しかない人生、という覚悟・諦観が必要なのである。
真理とは。
「人は永遠に真理を探すが、真理は永遠に実在しない。探されることによって存在するけれども、実在することによって実在することのない代物です。」(『余はベンメイす』)
「真理が地上に実在し、真理が地上に行われる時には、人間はすでに人間ではないですよ。人間は人間の形をした豚ですよ。真理が人間にエサをやり、人間はそれを食べる単なる豚です。」(『余はベンメイす』)