「マスコミの罪悪」
曽野綾子さんの『透明な歳月の光 133』より。
(『対イラク まずアラブ社会に通暁を』)→ http://www.nippon-foundation.or.jp/org/moyo/2004598/20045981.html
香田証生(しょうせい)さんが拉致殺害されたのは無防備に過ぎたことが第一の理由だが、青年を殺害する誘因となったのはマスコミである。報道しないわけには行かない立場もわかるが、テロリストが好きなのはハイライトを浴びることだ。新聞が書き立てたことで、この一介のバックパッカーは「殺すに値する」人物となった。
マスコミには報道の自由と共に、報道しない自由もあるはずである。
マスコミの倫理観がとわれているようにも思える。
外国のことは別として、現在の日本で、最強力者は新聞である。私はそう思っている。「政府がこういっている」ということは「新聞にこう書いてある」というほど、国民の信従能力を刺激しない。
山本夏彦も言っています。
「事実があるから報道があるのではない。報道があるから事実があるのである。」
「私は断言する。新聞はこの次の一大事の時にも国をあやまるだろう。」
─ 山本夏彦(『何用あって月世界へ』)
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